1617年に創建された栃木県日光市の東照宮は、徳川家康を神格化した東照大権現を祀る神社。1999年にはユネスコ世界遺産に登録された。歴史上何度も火災の被害を受けている東照宮だが、1961年の火災では、貴重な天井画が焼失し、宝物館も全焼した。
日本の文化財の防火理念は主に、予防、早期発見、初期消火を重視している。東照宮の国宝建築物「陽明門」を例にすると、大きな貯水池が設置されているほか、陽明門の階段の傍らの目立たない位置に消火設備が設置されている。蓋を開けて消火栓とつなぐと、上下左右に動かすことができるノズルを使って、水を陽明門まで噴射することができる。
陽明門の壁の下には建物と同じ色の温度センサーが設置されている。また、違和感がないようにと、東照宮内のセンサーの配線には21色の線が使われ、金箔が施されている線まである。
東照宮内の主な建築物には全て監視カメラが設置されており、当直室で24時間体制で3人が監視し、異常があった場合はすぐに対応できるようにしている。また、東照宮の職員からなる自衛消防隊があり、毎年定期的に防火訓練を実施している。防火目的で、東照宮宝物館の壁は現在、全て銅板で覆われている。
奈良にある唐招提寺の第88世長老・西山明彦氏によると、奈良の多くの寺にも火災自動警報装置や火の手が広がるのを防ぐ防火設備があり、それぞれ、消防担当者がいる。そして、文化財防火デーである1月26日には毎年大規模防災訓練が行われるという。(編集KN)
「人民網日本語版」2019年4月22日