専門家 感染対策の国際体制の改革が急務

人民網日本語版 2020年05月07日09:23

新型コロナウイルス感染症の流行が続いているが、感染症との戦いにおける国際協力の防御線は依然脆弱だ。例えば西側の少数の国は感染拡大に深く陥りながらも、政治的手段を弄して他国に責任を転嫁するのを忘れていない。突発的な感染症の防止・抑制における国際協力体制の革新と改善が急務であることは、事実が物語っている。(文:張超漢、馮啓倫。環球時報掲載)

まず、パブリック・ヘルス・ガバナンスの世界的に統一された枠組みを固める。このために、世界のヘルス・ガバナンスにおけるWHOの中心的地位を強化し、公衆衛生上の重大な突発的事態を防止・抑制するWHOの総合能力を増強する必要がある。共通だが差異ある責任の原則を運用し、先進国と途上国に差異ある権利と義務を与える必要がある。また、監督・仲裁制度を設けて、各国に相応の国際的義務の履行を促すなどの必要がある。

次に、突発的事態の防止・抑制における国際法の権威と執行力を強化する。国際法に真に効力を発揮させるには、各国の国内法と国際法との足並みのそろった統一を強化するとともに、国家の強制力を運用して実施を確保する必要がある。国際保健規則(IHR)を改正し、公衆衛生能力の整備に関する奨励措置、悪意ある過激な行為への制裁手段を増やすなどする必要がある。

また、南北の国家が互いに疑念を抱き、足を引っ張っている現状の改善に尽力して、途上国の権益が十分に保障されるようにする。第1に、国際法の制定において、自由と自治を強調する「共存国際法」から「協力国際法」への段階的な移行を後押しし、南北の共通意志をより体現すると同時に、途上国の特殊な状況を十分に考慮する。第2に、発言力の獲得において、途上国は南南協力の強化を基礎としたうえで、世界の問題における多国間交渉と新規則の制定により積極的に参加するべきだ。第3に、合法的権益の維持において、現有の仲裁制度を十分に利用し、先進国に国際的義務の履行を促し、途上国と後発開発途上国の基本的権益を守る。

最後に、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)の持続可能な発展を後押しする。世界の衛生上の安全を実現する前提は、かなりの程度において途上国の公衆衛生能力の着実な向上と持続可能な発展にある。一つには、途上国の国内の公衆医療体制の整備を支援する過程において、国際社会は被支援国の実際のニーズと自力で発展する権利を十分に尊重し、基本的な衛生整備と衛生関連人材の育成強化などの面における「造血機能」の強化を重視するべきだ。他方、各国自身も積極的に資源を調達して、UHCの持続可能な発展を支え、実現するべきだ。(編集NA)

「人民網日本語版」2020年5月7日

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