王毅国務委員兼外交部長(外相)は9日、中米シンクタンクメディアフォーラムで次のように述べた。新華社が伝えた。
中米関係は国交樹立以来最も深刻な試練に直面している。米側の一部の人々はイデオロギー的偏見から、中国をライバル、さらには敵として宣伝すべく全力を尽くしている。中米関係の秩序を回復し、正常な軌道へ戻せるか否かは、両国民の利益と緊密に関係するだけでなく、世界と人類の共通の未来にも関わる。米側はより客観的で冷静な対中認識を構築し、より理性的で実務的な対中政策を策定すべきだ。
中国の特色ある社会主義路線は14憶中国国民を貧困と立ち遅れた状態から抜け出させただけでなく、中華民族を再び人類の進歩という事業に重大な貢献をできるようにした。中国は外国のモデルを踏襲せず、中国のモデルを輸出することもない。中国がもう一つの米国になることもないし、それは不可能でもある。中国の路線の成功が西側にとっての打撃や脅威になることもない。中米は異なる制度と文明の平和共存の道を共に探るべきだ。
中国には米国に挑戦する、あるいは取って代わる意思はなく、全面的対立の意思はない。中国は対米政策において高度の安定性と連続性を保っており、善意と誠意に基づき中米関係を発展させることを望んでいる。だがこれには双方が向き合って前進し、国際法と国際ルールを尊重し、平等な対話と協議を繰り広げることが必要だ。中国には自らの主権、安全、発展上の利益を守る権利がある。中国国民が刻苦奮闘して得た労働の結果を守る権利がある。中国に対するいかなる覇権行為や不公平も拒絶する権利がある。
中米は国交樹立から40年余りで、すでに互いに融合する利益共同体を形成した。中米協力はすでに、双方に利益をもたらし、世界に利益をもたらす大きな事となっている。双方は中米関係発展の歴史的経験を正しく受け止める必要がある。別の事を構えるのではなく、ましてや切り離しを強行するのではなく、従来の事業を受け継ぎ将来の発展に道を開き、時代と共に歩み、対話と協力の道を堅持すべきだ。
中米関係を正常な軌道に戻すために、次の3点を提案する。
(1)全ての対話ルートを活性化し、開放する。米国の現在の対中政策は戦略的判断が誤っており、感情的発散とマッカーシー的偏執に満ちている。交流してこそ嘘を阻止できるのであり、他者のイメージを悪くすることは自らの潔白の証明にはならない。中国側は扉を大きく開き、いつでも各レベル、各分野の対話を再開したいと思っている。
(2)交流のリストを整理し、定める。第一に、二国間及び世界に関わる事で協力できる事のリストをまとめる。第二に、意見の相違があるが対話による解決の望みがある事のリストをまとめる。第三に、合意は困難で棚上げして管理・コントロールする必要のある事のリストをまとめる。
(3)感染症対策協力に焦点を合わせ、実施する。中国側は米側と感染防止・抑制に関する情報とノウハウを共有し、診療プロトコルやワクチン開発の分野で広範に交流したい。米側は感染症の政治利用、ウイルスのレッテル化を止め、中国側と共に世界の感染症対策協力を推進し、しかるべき国際的責任を担うべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年7月10日