「基金会が当校にマスク6万枚を寄贈してくださったことに感謝している。当校はマスクを日本や外国からの留学生に配布した。これらのマスクは必ず感染リスクを低減してくれていることだろう。私たちは必ず困難を乗り切ることができる」。ある秋の日の午後に、日本の創価大学から届いた感謝状を読みながら、北京大鸞翔宇慈善基金会の瀋清理事長は、時を経るほどにしっかりと結ばれてきた絆に再度思いを馳せ、心を温かくした。
日本の創価大学が北京大鸞翔宇慈善基金会に寄せたマスク寄贈に対する感謝状(画像は北京大鸞翔宇慈善基金会が提供)。
「変わらぬ慈善の意志を持ち、人々の福祉に寄与する」。周恩来総理の姪に当たる周秉徳氏が発起人となり設立された北京大鸞翔宇慈善基金会の「大鸞」は周総理の幼名であり、「翔宇」はその字(あざな)からとられている。同基金会は周総理などの前世代の革命家の遺志を継ぎ、正しい気風を発揚し、民生に寄与し、共に調和のとれた社会を作ることを責務と見なし、公益慈善活動を展開している。
周総理と、創価大学の創立者・池田大作氏は共に中日平和友好事業に取り組み、その中で深い絆を築きあげた。1974年12月、中日両国友好協定の締結を推し進めるために中国を訪問した池田氏と、周総理は病身を押して会見。周総理は50年前、桜が満開の折、日本を離れたことを振り返り、「桜が満開の時に、中国の人民の友好使者として、もう一度日本を訪問したい」と語った。そして翌年、創価大学は新中国成立後初の中国人留学生を迎えた。さらに池田氏の提案で、中国人留学生6人が創価大学のキャンパス内に桜の木の苗を植え、「周桜」と命名した。
毎年、桜が満開になる時期になると、中日両国の友好関係者と創価大学の学生らは「周桜」の下で、中日友好を願う気持ちを込めてお花見会を開催している。瀋理事長は、「創価大学には、中日友好を象徴する『周桜』のほか、長い歴史を誇る中国語スピーチコンテストもある。それらは、周総理と池田氏の精神を引き継ぎ、敬意を表しているほか、中日友好という思想の伝承、発揚ともなっている」と語る。
創価大学の「周桜」の下で記念写真を撮影する北京大鸞翔宇慈善基金会の関係者(画像は北京大鸞翔宇慈善基金会が提供)。
2020年、新型コロナウイルス感染が拡大した際、創価学会の原田稔会長は、それと闘う中国に、時を移さず慰問のメッセージを送った。その後、中国国内では新型コロナウイルスが少しずつ封じ込められたのに対して、世界ではパンデミックが起き、同基金会は日本やネパール、ミャンマー、エチオピアなどに使い捨てマスクを寄贈した。そこには創価大学に寄贈した6万枚も含まれていた。
創価大学の田代康則理事長は感謝状の中で、「毎回、基金会の名前に含まれている周恩来総理の幼名を見るたびに、周恩来総理が青年時代に大志を胸に抱き、中国、ひいては世界の人々のために奮起し、前へ進む姿が思い浮かび、励みを受ける。世界が危機に直面している今、私たちは周総理が行動で示してくださったように、恐れと偏見に打ち勝ち、世界共通の願いを目標にして一致団結し、共に奮闘しなければならない」と綴っている。
瀋理事長は、「今年は周総理と、鄧穎超夫人が結婚して95周年。当基金会は、創価大学で写真展を開催する予定だったが、新型コロナの影響で実現できなかった。新型コロナが収束するのを待ち、桜の花が咲く頃に、創価大学に足を運んで『周桜』を自分の目で見たい。そして、引き続き、総理の遺志を継ぎ、民間交流活動を展開することで、中日平和友好の精神を伝え続けたい」と語った。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年10月16日