中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館の外国人ボランティアたち

人民網日本語版 2020年10月14日10:12

南京利済巷慰安所旧跡陳列館で「感謝状」を受け取る韓国人ボランティア・姜哈娜さん(画像は紀念館が提供)。

「来場者は説明を聞くと、1枚の写真、1人の名前、1つの言葉を覚える。そのうちの1つだけであっても、自分のしていることは意義があると感じる」。中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館で11日、米国や韓国、イラン、パキスタンなど17ヶ国から来た紫金草国際ボランティア73人が、ガイドの「就任証」を受けとった。先輩ボランティアの韓国人女性の姜哈娜さん(25)は新人ボランティアに、自身の経験を語った。中国新聞網が報じた。

1939年、戦争に反対していた元中国侵略日本兵・山口誠太郎さんが、南京の紫金山の近くに咲くオオアラセイトウを日本に持ち帰り、「紫金草」と名付けた。そして、戦争を反省し平和を願う気持ちを込めて、家族と共に紫金草を日本各地に植えた。

中国侵略日本軍南京大虐殺遭難同胞紀念館は、毎年訪れる多くの外国人に、歴史をしっかり理解してもらえるよう、1994年から、国際ボランティアチームを立ち上げ、「紫金草」と命名。海外に平和を願う思いを伝えたいという山口誠太郎さんの意志を継いでいる。

「就任証」を受けとったばかりの河海大学の外国人教師・ジョナサンさんは、「初めて招きに応じて紀念館に来て、国際ボランティア文化サロンに参加した時、ホロコーストの生存者・サイモン・ウィーゼンタールさんの『誰かが覚えている間は希望はそこにある』という言葉を思い出した。紀念館は、未来への警醒で、どんなに辛くて悲しい歴史であったとしても、決して忘れてはいけない教訓だ。これも、私が国際ボランティアになった理由の一つだ。私は、この経験と、この美しい都市がかつて経験した苦難と移り変わりを永遠に忘れない」と語った。

紀念館で国際ボランティア「就任証」を受け取ったシンガポール人ボランティア(画像は紀念館が提供)。

南京に8年住んでいる姜さんは、「南京利済巷慰安所旧跡陳列館を見学した時、一人でひっそりと静まり返る廊下に立ち、ものすごい恐怖を感じた。そして、これが、歴史上の『慰安所』なんだと、突然悟った。見学が終わった後、『歴史と向かい合わなければ、永遠に歴史を知ることはできない』と自分に言い聞かせた。何か行動しなければと思い、韓国人見学者に説明、紹介するために、国際ボランティアに申し込んだ。ある韓国人の学校教師は私の説明を聞いて涙を流しながら抱擁した。その時のことは永遠に忘れられない」と語る。

「ボランティアの経験により、成長することができ、平和の意義をより深く認識することができた。花火が鳴る音を聞いても、驚くのではなく、それを楽しむことができるというのが平和だ」と語る姜さんは、同年代の若者よりもずっと落ち着いた考え方をしていた。

同館は、「全国公共文化施設・雷鋒に学ぶボランティアサービス展開モデル機関」として、2008年から国際ボランティアを募集している。国際ボランティアは、自分と同じ国から来た見学者に南京大虐殺の歴史を紹介しているほか、史学研究や国際交流活動において、得意分野を活かして活躍している。また、「ボランティアを受け入れ、海外へはばたかせる」とい原則に基づいて、紀念館は定期的にボランティアを選出して、学習や交流のために、中国国内外の関連機関に派遣することで、ボランティアサービスのグローバル化水準、影響力向上に取り組んでいる。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年10月14日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング