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上海の浦東、怒涛のごとく発展し続けた30年の歩み

人民網日本語版 2020年11月17日16:49
上海の浦東、怒涛のごとく発展し続けた30年の歩み
4月14日に上空から撮影した浦東・陸家嘴全景。東方明珠(東方テレビタワー)、金茂大厦(ジンマオタワー)、環球金融中心(上海ワールド・フィナンシャル・センター)、上海中心(上海タワー)などの超高層ビルがそびえ立っている(撮影・沈春琛/写真著作権は人民図片が所有のため転載禁止)。

姚建良さんは浦東生まれの浦東育ちだ。毎年、姚さんは東方明珠塔(東方テレビタワー)の上から同じアングルでシャッターを切り、少しずつ変化する陸家嘴を記録してきた。1994年から撮り始めたこれらの俯瞰写真は、今では浦東30周年芸術展で展示され、数多くの人々の視線を引きつけた。人民日報が伝えた。

1枚目の写真では、陸家嘴はまだ低い建物と青みがかった茶色の天井だらけで、見渡す限り「地面に生えた苔」のようだった。姚さんは心の中で、「ここに国際金融城なんて作れるのか?」とそっとつぶやいものだった。

今、陸家嘴金融城に足を踏み入れ、雲までそびえる高層ビルの間を行き来すると、世界の資産が時差なしでここに集まっているという活力を感じることができる。面積がわずか31.78平方キロメートルの陸家嘴金融城には、10ヶ所以上の国家級要素市場と機能的金融インフラや、6000社以上の各種金融機関、30万人以上の金融人材が集まっている。285棟のオフィスビルのうち、税収が1億元(1元は約15.9円)を超えるものが102棟、10億元以上が30棟、50億元以上が4棟ある。

現在の陸家嘴は、すでに世界金融要素市場が最も豊富で、金融機関が最も集中し、金融取引が最も活発なエリアの1つだ。しかし管理者が注目するのは、依然としていかにして引き続き金融資源配置機能を高めるかということだ。

上海自由貿易試験区管理委員会陸家嘴管理局の張宇祥局長は、「我々が目指しているのは国際的に一流の金融センター。ニューヨークのウォール街やシティ・オブ・ロンドンだ」と言う。

開発と開放が始まるのはやや遅かったように見えた浦東だが、飛躍のスタート地点は高かった。最初から「世界と余裕をもって経済対話する」ことを目指したのだ。

陸家嘴金融城から東へ向かうと、張江科学城がある。ここは集積回路(IC)とバイオ医薬産業のシンボル的な場所だが、今は人工知能(AI)分野に再び力を注ごうとしている。張江人工知能島はそのオープンから1年余りで、すでに90社以上の企業が入居した。なかにはIBMのような大手の多国籍企業や、雲従科技(CLOUDWALK)のようなユニコーン企業もある。

金融城と科学城をこれまで30年の怒涛のような発展の流れの中で見てみると、この2つの経済重要拠点の台頭が物語ることができるのは、浦東が成し遂げた発展の奇跡の一部にしかすぎない。上海は国際経済、金融、貿易、水運、世界イノベーションという「五大センター」を作り上げ、浦東はそのいずれにおいても核心エリアとなった。2019年、浦東地区の総生産額は1兆2734億元に達し、30年前の211倍となった。また、1人当たりの総生産額は約3万3200ドル(1ドルは約104.5円)に達した。

上海中心大厦(上海タワー)の49階からは、黄浦江の景色が眼下に一望できる。JPモルガン証券(中国)有限公司の朴学謙董事長兼最高経営責任者(CEO)は、浦東にオフィスを構えた後に味わった感慨をこう漏らした。「こんなにすぐに幸せを味わえるなんて思わなかった!」

今年3月に正式に営業を開始したJPモルガン証券(中国)有限公司は、第一陣となる外資が株式支配権を有する新設証券会社だ。

朴CEOの驚きと喜びは、上海自由貿易試験区がいち早く措置を策定・実施し、中国が金融業の対外開放をさらに拡大する重大措置を実行するよう促したことによるものだ。

「中国の開放の扉が閉じることはなく、ますます大きく開かれる!」。2018年4月10日、博鰲(ボアオ)アジアフォーラム2018年総会開幕式の基調演説で、習近平総書記は中国の開放拡大の決意を宣言し、世界に向けて一連の重大開放措置を発表した。

その翌日、中国人民銀行や中国証券監督管理委員会、国家外貨管理局などの金融当局は開放拡大に関する具体的措置を迅速に発表した。

2ヶ月後、上海自由貿易試験区は金融サービス業の対外開放拡大と、開発・開放の新たな優位性のさらなる確立に関する意見を発表。外資系金融機関を誘致する新政策の重点的実施など6つの面で25項目の措置を打ち出し、国の金融サービス業開放という重大措置の実施を支え、保障を提供した。

初の外国企業100%出資による保険会社の開業から、第一陣の新設外資系再保険機関の開業に至るまで、新たな金融業の拡大開放以来、浦東ではすでに20件以上の外資金融プロジェクトが実施されてきた。

30年にわたり、浦東は累計1029億5000万ドルの外資を誘致・導入し、170の国・地域の3万6200社以上の外資企業と、350社の多国籍企業地域本部を誘致し、フォーチュン・グローバル500企業のうち346社が浦東に投資している。

浦東で最も多く耳にするのは、「浦東発展の伝説は、改革と開放の路線を走り、新たなイノベーションを生み出すことで成し遂げられたものであり、改革開放は現代中国の命運を決定するカギとなる戦略であることをはっきりと示している」という言葉だ。

勇気をもって新たな使命を担い、浦東は再び出発する。(編集AK)

「人民網日本語版」2020年11月17日

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