「地域的な包括的経済連携」(RCEP)の調印式が15日にオンライン方式で行われ、15ヶ国の経済貿易担当閣僚が協定に署名した。この自由貿易協定への署名により、世界で最も多くの人口を擁し、最も多様な加盟国が参加する、最も発展のポテンシャルの高い東アジア自由貿易圏が成立し、動き出すことになった。
足かけ8年の「マラソン」がついに「ゴール」へ
RCEPはアセアン10ヶ国が発案し、中国、日本、韓国、オーストラリア、ニュージーランド、インドをパートナー国として交渉に迎えた。狙いは関税と非関税障壁を削減して、16ヶ国の統一市場を擁する自由貿易圏を構築することにあった。
交渉は2012年11月にスタートし、交渉分野は中小企業、投資、経済技術協力、物品・サービス貿易など10数分野に及んだ。
この7年間に首脳会合が3回、閣僚会合が19回、正式な交渉が28回行われた。
19年11月4日、第3回RCEP首脳会合は共同声明を発表し、参加15ヶ国がすべての条文ベースの交渉と実質的にすべての市場アクセスをめぐる交渉を終えたことを発表し、今後は法的精査を行うとした。またインドは「未解決の重要な問題がある」ため、しばらく加盟を見送った。
GDPの合計は25兆ドル以上 世界人口の30%をカバー
商務部(省)国際貿易経済協力研究院地域経済協力研究センターの張建平センター長は、「RCEPには加盟するエコノミーの規模が大きく、包摂性が高いといった特徴がある」と指摘した。
18年までの統計データによると、加盟15ヶ国の人口は約23億人に上り、世界人口の30%を擁する。15ヶ国のGDPの合計は25兆ドル(1ドルは約104.5円)を超え、カバー地域は広く世界最大の自由貿易圏が誕生した。
世界で現在運営されている他の自由貿易協定に比べ、RCEPは新たなタイプの自由貿易協定であり、より包摂性が高い。物品貿易、紛争解決、サービス貿易、投資など従来の交渉分野だけでなく、知的財産、デジタル貿易、金融、通信といった新たな交渉分野も加えられた。