天津大学が9日にあきらかにしたところによると、中国の地震工学分野で初の国家重大科学技術インフラである大型地震工学シミュレーション研究施設のプロジェクト立ち上げが、国家発展改革委員会から承認された。このビッグサイエンス装置は完成後、世界最大で機能が最強の重大プロジェクト耐震シミュレーション研究施設になる。これは土木、水利、海洋、交通などの重大プロジェクトの安全保障に対して重要な意義を持つ。科技日報が伝えた。
高層建築、海洋大橋、超長トンネル、洋上風力発電、海上プラットフォーム、大型原発などの重大プロジェクトが増えているが、その耐震安全性は大型地震工学シミュレーション研究施設による検証を差し迫って必要としている。中国工程院院士で、中国地震局工学力学研究所名誉所長の謝礼立氏は「工学的構造の失効や倒壊は、地震による人の死傷、財産の損失、発展の支障をもたらす最も重要な原因だ。工学的構造の耐震性が低い部分を明らかにし、その地震の破壊に耐える能力を高めることが、上述した問題を解消する最も根本的な措置だ」と述べた。
中国内外の既存の地震シミュレーション振動台は小規模または実験機能が単一的(同時に地震とその他の複数災害の負荷の作用をシミュレートできない)であることから、地震発生時のプロジェクトの安全や正常な使用の需要を満たせない。天津大学が中心となり建設する大型地震工学シミュレーション研究施設は、サイズと積載量がさらに大きな地震シミュレーション振動台、地震と水中波のカップリング効果を同時にシミュレートできる振動台試験装置を建設する。同施設は完成後、中国の工学技術分野のイノベーション能力と水準を大幅に高めることができる。
同装置は天津大学北洋園キャンパス内で建設される。総建築面積は7万7000平方メートルで、工期は5年。プロジェクト首席科学者、中国工程院院士、天津大学学長の鍾登華氏の説明によると、建設内容には主に地震工学シミュレーション試験システム、高性能計算・スマートシミュレーションシステム、試験関連・共有システムが含まれる。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年3月1日