上海市浦東区では5Gネットワークにより、無人・全自動の「細胞バンク」が実現しつつある。中国新聞網が伝えた。
記者は27日、上海張江科学城の「起源細胞バンク」を訪ねた。細胞は5G細胞バンク内で、氷点下196度の低温設備の中にしっかり保管されており、突発的事態が発生した場合にも、サンプルを緊急に移転させることが可能になっている。
保管されるサンプルは「ハニカム構造の個室」に入れられ、自動的に液体窒素が充填される。真空・陰圧の状況下で自動的かつ正確に取り出される。
全自動化を実現するため、建物内は5Gでフルカバーされている。ロボットはコマンドを受け取ると、窓口でのサンプル伝送から、ハニカム構造の独立ユニット保管ケース内から冷凍細胞を取り出すまで全てミスなく、コマンド通りの正確な動きをする。
上海電信浦東局の関係責任者である路穎氏によると、細胞バンクのような屋内の5Gカバーは比較的難しい。同社はこの細胞バンクの特殊な需要に向けた屋内カバープランをオーダーメードした。細胞バンク全体にはおよそ20-30の5G屋内小型基地局があり、細胞バンク使用の需要をほぼ満たすことができる。
細胞バンクに設置されている独自開発の自動化保管設備とAGV(無人配送車)が、中国電信5Gエッジコンピューティング全自動調整システムにより運営・メンテナンスを行う。
5G SAネットワークアーキテクチャをベースに、細胞バンクは5G-IoTにより異なる自動化設備と各種類のロボットの相互接続と連携を実現する。
起源細胞科技集団有限公司副総裁兼マーケットディレクターの韋嘉氏によると、一般的な手動保管と比べ、自動化保管には▽凍結・融解の繰り返しを回避▽細胞の活性を保証▽情報管理保障の検索・抽出の効率が高い――といった優位性がある。
起源細胞科技集団有限公司と上海電信が共同開発した、中国初の無人・全自動5Gモデル細胞バンク。
起源細胞バンクは独自開発の全自動細胞保管設備、及び関連スマート化製品を採用し、業界をリードする5G SAネットワークアーキテクチャをベースに、5G-IoT(モノのインターネット)により異なる自動化設備と各種類のロボットの相互接続と連携を実現する。リモートオペレーションプラットフォームが各地の異なる地域バンクの自動化設備管理、異なる地域のバンクの遠隔運営を実現する。同時にAI(人工知能)、VR(仮想現実)/AR(拡張現実)、デジタルツイン、エッジコンピューティングなどの技術を使い設備の故障情報を事前に感知・予測することで、設備の信頼性の高い運営を保証する。これらの技術を運用することで、細胞サンプルの全プロセスの低温コールドチェーン、自動化、スマート化操作を実現し、サンプルの質と安全を効果的に高めている。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年4月29日