あるネットユーザーが最近、「ケンタッキーの使い切りタイプの小袋トウガラシが有料になっている」ことを発見した。値段は1袋0.9元(1元は約16.9円)で、商品名「天府椒麻香辣粉」で販売されている。辛党の四川省の人にとっては、まさにショックなお知らせと言えるだろう。紅星新聞が報じた。
ネットユーザーからは、「トウガラシが有料になったということは、ケチャップが有料になる日も近いということか?」や「こういうやり方は納得できない。返品したくなるぐらいだ!」などの声を寄せている。
5月6日、四川省成都市にあるケンタッキーを取材すると、店員が「天府椒麻香辣粉」は4月26日から有料になったと説明してくれた。四川省にあるケンタッキー全店で有料化され、これまで無料だったトウガラシの提供も一斉に停止された。茶色ベースにトウガラシが赤で描かれた無料版のものと異なり、有料版の小袋の色は黒に変わり、量も増えた。その他、産地は上海となっているものの、使われているサンショウの原料の産地は四川省だ。
無料版のトウガラシ(画像は四川手機報から)。
新商品「天府椒麻香辣粉」として登場したKFCの有料トウガラシ。
実際に食べてみると、「天府椒麻香辣粉」のほうが少しあまみがあり、クミンの香りも強かった。
なぜ有料に?KFC、「大半の客の好みを考慮」
ケンタッキーは、「大半の客の好みを考慮して、新商品『天府椒麻香辣粉』を打ち出した。この商品は、サンショウの香りが強く、ピリッと辛い仕上がりで、癖になる味。いろんな香りのハーモニーを楽しめ、まろやかなからみとなっている。無料版とは味が違うほか、重さも2グラムから4グラムに増えた」と説明する。
店内に貼り出されている通知。
トウガラシが有料になったことで、一部の客からブーイングが上がっていることについて、店員は、「無料版のトウガラシを作っていたメーカーがもう作らなくなってしまったので、メーカーを変えた。そのメーカーに合わせて、当社も有料にした」としたほか、「有料にすることで、環境保護や浪費防止につながることも、会社は考えているのだろう。中国全土のケンタッキーで、トウガラシを提供しているのは四川省のケンタッキーだけ」と説明した。
有料になったことについては賛否両論あり、ある男性客は、「無料だと、無駄にたくさん使う人がいたけど、有料だと、みんな必要な分だけ使う」と賛成していたが、一方のある女性客は、「客が減ると思う。私自身も今後ケンタッキーを利用し続けるか考えてしまう。今は他にも美味しい店がたくさんあるし、フライドチキンを売っているのも別にケンタッキーだけじゃないから」とやや否定的な意見を述べていた。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年5月8日