竹林の空気がお金になる?浙江省安吉県報福鎮統里村の村人の楊忠勇さんはその体験者と受益者になっている。「竹林の空気を担保に37万元(1元は約17.0円)借りられるとは夢にも思わなかった」と楊さん。光明日報が伝えた。
「竹の王国」と呼ばれる中国は、竹の資源量と種類がいずれも世界一だ。安吉県は立竹量、商品竹年間生産量、竹業年間生産高、竹製品年間輸出額、竹業経済総合力の5つで全国一になっており、名実相伴う「中国一の竹の里」だ。
安吉県は2010年に専門的な学術機関と共に竹林のカーボンシンクの研究を行い、高さ40メートルの孟宗竹カーボンシンク量観測タワー、タワー内放射線センサー、光学3次元超音速風速計、二酸化炭素(CO2)水蒸気分析計などの科学探査計器を設置した。全自動・全天候で竹林の各層のCO2濃度などの竹林生態系の詳細なデータを採取できる。十数年の科学技術の研究開発により、「竹林カーボンシンクプロジェクト経営方法学」などの研究成果を形成した。
安吉農商銀行はCO2排出量ピークアウト、カーボンニュートラルの安吉県における早期実施をサポートするため、上述した研究成果に基づき初の挑戦者になった。報福鎮統里村の楊忠勇さんが経営する3カ所の孟宗竹林の面積を計68.7ヘクタールとして計算したところ、その毎年の1ムー(約6.7アール)あたりCO2排出削減量は0.39トンで、請負経営有効期限内にCO2を7045トン削減できることが分かった。今年7月16日の全国炭素排出権取引市場の炭素排出権取引価格を参考にすれば、3カ所の評価額は37万1900元との結論が導き出された。人民銀行征信センター動産融資統一登記公示システムを通じ、抵当登記・公示を行った。7月30日に、全国初の竹林カーボンシンクを担保とした37万元の融資が順調に行われた。
融資を受け取ると、楊さんは朝早くから夜遅くまで働き、施工業者に依頼し台風によって破壊されたばかりの請負竹林の林道の修復を行った。
浙江大学土地・国家発展研究院の王景新教授は、「竹は持続可能な発展の得難い植物資源であり、尽きることのない緑の富だ。初の竹林カーボンシンクを担保とした融資という革新的な実践により、竹林経営者に質向上・カーボンシンク増加と増収を結びつけさせ、竹林の生態価値の金額による評価、竹林カーボンシンク産業の形成を促した」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年8月9日