東京2020オリンピック

東京五輪で活躍する中国人留学生ボランティア

世界に中国の若者の姿を示したい

人民網日本語版 2021年08月06日15:50

東京五輪の競技もすでに数日を残るだけとなり、中国人選手たちが連日好成績をあげている。そして異国での競技会場では、裏方のスタッフとして中国人ボランティアたちが活躍している。その中には留学生もいれば、日本で働き、暮らす中国人もいる。人民網が伝えた。

「北京五輪で五輪ボランティアという夢が芽生えた」

慶応義塾大学文学研究科で学ぶ李さんは、東京五輪のバドミントン競技会場でボランティアをしている。2008年に北京五輪が開催された時、李さんは中国大学統一入学試験(通称「高考」)を受けたばかりだった。中国全土に広がるオリンピックの雰囲気に影響され、李さんに「いつかオリンピックのボランティアをしてみたい」という考えが芽生えた。

大学入学後、李さんはボランティア活動に熱心に取り組み、建国60周年記念活動や国際自転車連盟の自転車競技(トラック)など大型イベントにボランティアとして関わった。李さんは、「人の助けになることをして貢献すると同時に、知識と経験を増やすことができたことが、ボランティア活動での最大の収穫」だと言う。北京五輪のボランティアにはなれなかったが、日本に留学中の李さんは東京五輪のボランティアに積極的に応募し、オリンピックのボランティアになるという長年の夢をかなえた。李さんは、「自分の知識と言語コミュニケーション力を活かして、中国チームや世界各国のスポーツ選手の助けになれる機会をもらえて、とてもうれしい」と話す。

東京五輪ボランティアの李さん(写真は本人が提供)。

同じように北京五輪がきっかけでオリンピックというスポーツの祭典に関わりたいという夢を抱いた趙さんは、東京五輪ラグビー競技会場のボランティアをしている。

2008年、中国全土がオリンピックムードに沸いていたことは、趙さんの高考に関する記憶の一部となっている。日本に留学後、ちょうど日本が五輪招致に成功し、趙さんはボランティアとして貢献したいと考えた。東京五輪の開催が延期され、各準備作業が推進されている間に、趙さんは学業を終え、社会人となった。立場が変わったことで、趙さんはオリンピックボランティアについてさらに豊富な認識を持つようになり、東京五輪に関わることが自分の成長にとって非常に意義ある記念になると考えるようになった。

競技会場で記念写真を撮る東京五輪ボランティアの趙さん(写真は本人が提供)。

東京大学工学部研究科に在学中の王さんは、競技会場でメディア機関がスムーズに報道を行えるよう補助する東京オリンピック放送機構(OLYMPIC BROADCASTING SERVICES)のスタッフの1人だ。王さんは北京五輪当時を振り返って、「開会式の挨拶の中で触れられた『オリンピック精神の真の意義は人が中心であることを追求し、自分を越え、自分を高めることだ』という言葉が強く印象に残っている」と語った。王さんは、「オリンピックというスポーツの祭典は世界中を一つにまとめ、団結させることができる力を持っている。その一員として参加できたことは、自分にとって青春の記念になる」と語った。

東京五輪ボランティアの王さん(写真右から3人目)と他のボランティアスタッフ(写真は本人が提供)。

東京五輪ボクシング競技会場のボランティアで、東京外国語大学大学院博士課程に在籍中の林さんは、「オリンピックは4年に1度のスポーツの祭典。北京五輪が開催された時は、テレビの前で試合を夢中で観戦し、中国の選手を応援していたことを覚えている。今は東京で留学中で、ちょうどオリンピックが東京で開催されたので、ついにオリンピックに関わるという夢をかなえることができた」と言う。

2020年、突然の新型コロナウイルス感染拡大で状況は一変し、東京五輪の開催は一年延期された。東京五輪組織委員会は2020年に全てのボランティア現場研修をストップし、多くのボランティアがオリンピックに貢献するうえでのモチベーションを失った。

「オリンピックが延期されたこの1年間は、心配と期待の気持ちが交錯していた。さまざまな困難がありながらも東京五輪が無事開幕しただけでもう大変なことだと思う。あとは初心を持ち続け、自分のボランティアとしての仕事をしっかりとやり、オリンピックをサポートできるよう頑張るだけ」。李さんはこう話した。

「世界各国に中国の若者の姿を示したい」

王さんは、「自身の努力を通じて、カメラマンや記者などが撮影した競技のシーンや報道を世界中の人に伝える手伝いができて、とても光栄に思う」と話す。ボランティア仲間は世界各国から来ており、誰もが五輪に貢献しようと意気込んでいるという。

ボクシング競技会場でボランティアをしている林さんは、「ボランティアには各国から来た留学生もいれば、日本の各業界で働いている人もいる。これまでは一面識もなかったが、ボランティアをしている中で、地域や国の違いを忘れ、1つのチームとして互いに助け合い、共に困難に向かっているように感じている」と話す。

異国の地では、どの中国人留学生ボランティアも他の国が中国の若者を理解するための窓口であり、国を代表する「名刺」のような存在となる。留学生ボランティアたちは、「私たちの動きを通じて、中国の若者の姿を示したい」、「中国のスポーツ選手たちが試合で懸命に戦うスピリットは、私がボランティアを続けるうえでのモチベ―ション」、「中国の選手たちが試合でベストを尽くせることを願っている。オリンピックで働いている全ての中国人ボランティアが中国チームを応援しています!」と語った。(編集AK)

「人民網日本語版」2021年8月6日

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