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PM2.5の濃度が下がると、人の寿命はどれほど延びるか?

人民網日本語版 2021年08月06日09:17

PM2.5の濃度が低いほど健康に有利なのだ。では、PM2.5の濃度が下がった後、人の寿命はどれほど延びるのだろうか。これについてはこれまで、量化された答えが示されていなかった。科技日報が伝えた。

清華大学の研究チームはこのほど「ネイチャー・ジオサイエンス」に関連研究を発表し、2002-2017年に中国のPM2.5汚染及び健康損失に影響を及ぼした主な要素を量化した。例えば、研究によると、2002-2017年に中国のエネルギー構造モデル転換と経済構造最適化により、PM2.5の年平均濃度が1立方メートル当たりそれぞれ18.1マイクログラムと16.6マイクログラム下がり、それぞれ38万人と34万人の早死のリスクを回避したという。

「PM2.5の汚染と死亡リスクの間には密接な関係がある。これまでの研究によると、大気汚染は慢性疾患などの患者に大きな健康被害をもたらす」。論文の連絡著者で、清華大学地球システム科学学部の張強教授の研究チームは、大気科学、環境科学、経済学など複数の学科による学際的なモデリング法を設計した。排出リスト、大気質、健康効果などのモデルを結びつけ、2002-2017年の経済成長、汚染末端ガバナンス、エネルギー構造モデル転換、高齢化、医療条件の改善といった8つの主な要素の、中国のPM2.5汚染の人々の健康への影響における役割を定量分析した。

張氏は、「『大気10条』が施行された後、明らかな転換点が見えてきた。これは政府が組織・実施するエネルギー環境政策、例えばエネルギー効率の向上、エネルギー構造の最適化、汚染末端ガバナンスなど一連の政策措置は、汚染物の排出削減、PM2.5の汚染水準の引き下げにより、人々全体の健康に利益をもたらしたことを意味する」と話した。

国務院は2013年に「大気汚染対策行動計画(大気10条)」を発表し、汚染を生む系統的問題解決を目指した。石炭燃焼小型ボイラーの全面的な摘発、重点業界の脱硫、脱硝、除塵改造などの直接的な「引き算」を行ったうえ、産業構造を調整・最適化し、エネルギー構造の調整を急いだ。

張氏は「例えば2002-2017年に中国の石炭消費が一次エネルギー消費に占める割合は68.5%から60.4%に低下し、非化石エネルギー消費の割合が8.2%から13.8%に上がった。このようなエネルギー構造モデル転換は、国のエネルギー政策の誘導によるものであり、科学技術イノベーションの新エネ普及・応用の促進によるものでもある。エネルギー構造モデル転換により、PM2.5の年平均濃度が1立方メートル当たり18.1マイクログラム下がり、38万人の早死のリスクを回避した」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年8月6日

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