国家統計局が29日に発表したデータによると、国家統計局社科文司の「中国イノベーション指数研究」課題チームの試算によると、昨年の中国のイノベーション指数は前年比6.4%増の242.6(2005年を100とする)だった。科技日報が伝えた。
具体的な分野別に見ると、イノベーション環境指数は同6.3%増の266.3で、イノベーション投資指数は同5.4%増の209.7で、イノベーション産出指数は同8.5%増の319.8で、イノベーション成果指数は同3.8%増の174.7だった。4つのサブ分野の21の評価指標のうち19指標の指数が前年比で上昇した。
国家統計局社科文司のチーフ統計士の李胤氏は、「中国イノベーション指数の動向からは、複雑で厳しい国内外の情勢、特に新型コロナウイルス感染症の打撃といったマイナス要素があったが、中国がイノベーションを現代化建設の全局における中核的地位を守り続け、イノベーション駆動型の発展戦略を掘り下げて実施し、イノベーションの能力・水準をさらに強化した。そしてイノベーションの原動力の放出がペースアップし、経済の安定的な高成長の維持と経済の質の高い発展の推進に重要なサポートを提供したことが分かる」と述べた。
具体的な指標別に見ると、李氏は「昨年、中国のイノベーション環境は持続的に最適化され、イノベーション投資が持続的に増加し、イノベーションの産出が比較的高い伸び率を示し、イノベーションの成果がさらに顕在化した」との見方を示した。
昨年の一定規模以上の工業企業(年売上高2000万元以上の企業)の受益企業は同40.3%増の7万1000社。減免税額は同22.4%増の1713億4000万元(1元は約17.8円)。政策の効果が顕在化した企業は同2.3ポイント増の89.4%を占めている。
これらのデータは追加控除減免政策による効果の持続的な顕在化を反映しているほか、イノベーション環境の持続的な最適化を裏付けている。
同時にイノベーション投資の持続的な増加、研究開発投資の比較的急速な増加の維持、企業のイノベーションの主体としての地位のさらなる強化に関する力強いデータが示された。
昨年の中国の研究開発(R&D)経費は同10.2%増の2兆4393億1000万元で5年連続で2桁台の成長を実現し、投資総額は世界2位を維持した。その投資強度(R&D経費の対GDP比)は2.40%で、伸び率が2010年以降で最大となった。投資強度の世界主要エコノミーにおける順位は2016年の16位から12位に浮上しており、経済協力開発機構(OECD)諸国の平均水準に近づいている。R&D従事者のフルタイム当量は同9%増の年間523万5000人で、引き続き世界一を維持した。
昨年の中国企業のR&D経費は同10.4%増の1兆8673億8000万元。企業R&D経費の全社会R&D経費の増加に対する寄与度は同9.4ポイント増の77.9%。一定規模以上の工業企業のうち20万8000社が技術イノベーションに取り組み、全体の52.1%を占め初めて50%を上回った。
注目されるのは、イノベーションの産出に豊富な成果があったことだ。昨年の中国国内の特許取得件数は同42.3%大幅増の352万1000件。技術移転・転化もペースを上げ続けている。昨年の中国の技術市場契約額(成約ベース)は同26.1%増の2兆8251億5000万元で、技術市場が急速に発展している。
イノベーションの成果がより顕在化した。これは新商品の販売の記録更新だけではなく、エネルギー消費水準が持続的に低下し、科学技術イノベーションがグリーンな発展をさらに推進している。
おおまかな計算によると、昨年の中国のエネルギー消費総量は標準石炭換算で同2.2%増の49億8000万トンだった。石炭消費量がエネルギー消費総量に占める割合は同0.9ポイント減の56.8%。天然ガス、水力発電、原子力発電、風力発電などのクリーンエネルギー消費量がエネルギー消費総量に占める割合は同1ポイント増の24.3%。比較可能な価格で計算すると、単位GDP当たりエネルギー消費は同0.1%減少した。
李氏は、「昨年の中国イノベーション指数によると、中国のイノベーションの能力と水準が持続的に向上している」としたうえで、「中国の基礎科学研究の弱点が依然として目立ち、重要な独創的成果が乏しく、基幹コア技術が他者に制約される局面に根本的な変化がない。科学技術成果の転化能力もまだ低く、人材発展と奨励メカニズムのさらなる健全化が待たれる」と注意を促した。
李氏は、「これからはイノベーション駆動型の発展戦略をさらに徹底し、発展の新たな強みを全面的に形成し、科学技術強国の建設を急ぐ必要がある」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年11月3日