「国のために何か大きなことをすることはできませんが、機会ができたからには何かさせてください」。あるミカンのネットショップと浙江大学の博士課程に通う学生のチャットの記録が検索ランキングでトップに立った。
浙江省台州市西柯嶴村に住む陳凱さんは普段、妻とネットショップを経営して、自分たちや親せきが栽培しているミカンを販売している。ショップの規模は大きくないものの、評判は上々だ。
今月11日、陳さんのネットショップに浙江大学の大学院生から連絡があり、ミカンのサイズについて細かく質問された。大学生の説明によると、「科学実験に使う」のだという。
大学院生が科学実験のためにミカンを買うことを知った陳さんは、「国のために研究をしているのだから、無料で1箱送らせていただきます。大きなことをすることはできませんが、機会ができたからには何かさせてください」と返信。翌12日に5キロのミカンを郵送した。そして、実験で数100個のミカンが必要だと知ると、陳さんはまた5箱分、計50キロのミカンを送った。
この出来事はこれで終わりと思っていた陳さんだったが、このチャットの記録がなんとネット上で大きな話題となり、中国全土に拡散した。陳さんによると、たくさんの客から注文が入るようになり、そのほとんどが浙江大学の学生。「以前は1日に100箱ほどを郵送するだけだったが、今では2000箱以上に増えた。ささいな事をしたまでなのに、こんなに大きな影響力があるなんて思ってもみなかった」と言う。
実は、その大学院生が自分の経験したことを学校の電子掲示板に書き込み、たくさんの「いいね!」が寄せられたという経緯があった。大学生らの力強い支援を得た陳さんのネットショップの売上は急増。今では、ショップにアクセスするとカスタマーサービスから、「ネットユーザーの皆さん、理性的に買い物してください。祖国がどんどん繁栄していきますように。皆さんが毎日楽しく過ごすこと、そして輝かしい将来が訪れることを祈っています。皆さんの学業成就、そして卒業後のご活躍をお祈りしています」というメッセージが送られてくる。
ネットユーザーらは、心優しい大学生と誠実な陳さんに「いいね!」を次々に送り、「売り手も買い手も素晴らしい」と絶賛している。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年11月16日