北京冬季五輪MMC(メインメディアセンター)がこのほど運用を開始した。同センターの地下にあるスマート食堂は、約1千人が同時に利用することができ、国内外の報道関係者の間で、人気の撮影スポットとなっている。
カウンターでハンバーガーを注文すると、傍にある調理スペースで、調理ロボットが自動でバンズを温め、パティを焼き、レタスとソースを挟み、マシンによってパッケージされ、完成する。1回の食材補給で計300人前を連続して作り上げることができるため、ピーク時の需要にも十分対応することができる。
ハンバーガーに欠かせないのがフライドポテト!揚げ物を作るロボットアームは、まるでモグラ叩きをするように、素早い動きでフライドポテトの揚げ具合を調整している。この揚げ物スマートロボットは、冷蔵庫から食材を取り出して油で揚げ、容器に盛りつけるところまで全自動で行い、注文に基づいて各種食材を自動的に識別して取り出し、油で揚げるエリアまで運んだ上で、異なる食材や異なる調理法に基づき、油の温度や調理時間をコントロールすることができる。
では、ご飯ものを食べたい場合はどうする?そんな場合も大丈夫!スマート土鍋調理マシンは冷蔵庫や調理モジュールなどから構成されており、36個のコンロを同時に操り、ちょうどいい火加減を保ち、土鍋のフタを開けて、油や調味料を注ぐといった操作を行い、全ての客に見事なおこげがついた本格的な煲仔飯(広東風土鍋ご飯)を全自動で作り上げてくれる。
もちろん炒め物もばっちり!整然と並んだスマート中華鍋が世界の名シェフから直接教えを受けているからだ。
調理技術や料理の食材に基づき、コンロの上での鍋の動きや、火加減のコントロールに関するデータをコンピュータに入力し、調整テストを繰り返すことで、「一流シェフ」のレベルを完全に再現している。食材の投入、炒める動作、油や水を注ぐことだけでなく、中華鍋の洗浄や盛り付け配膳の全プロセスまで一体化・全自動化を実現している。この調理ロボットは、宮保鶏丁(鶏肉とピーナツのピリ辛炒め)や東坡肉(豚バラ肉の角煮)など数十種類の伝統的な中国料理だけでなく、イタリア料理のミートソーススパゲティなど多種多様な主食も作ることができる。中国料理として有名な餃子やワンタンなど当然お手の物だ。
そして最後を締めくくるのが、配膳だ。食堂の中国料理エリアを仰ぎ見ると、天井部分に張り巡らされた透明のガラスレール上を小さな配膳ロボットカーが縦横無尽に行き来しているのを目にすることができる。スマート中華鍋が調理・盛り付けした料理を、スマートシステムが配膳ロボットカーに託し、最短ルートを手配する。客は注文票に記載された番号の席につくだけで、調理された料理が配膳ロボットによって頭上のレールを通ってテーブルまで届けられ、料理がまさに「天から降りて来る」のだ。
このシステムによって、スタッフが料理を運ぶ作業が不要になるだけでなく、配膳の効率も向上させ、清潔で、料理の温かさを保つだけでなく、なにより人との接触ゼロでの配膳を実現している。
MMCの食堂では、100種類以上の料理が提供され、8セットのメニューが入れ替わりで提供される。スマート食堂は人と人との接触を減らすことを可能にしているだけでなく、24時間営業してサービスを提供することも可能にしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2022年1月14日