日米両国の外相と防衛相はこのほど「日米安全保障協議委員会」(2プラス2)をオンライン形式で開催したうえ、新たな防衛協定に署名した。戦略レベルでは両国の軍事同盟のさらなる強化に主たる焦点を当て、具体的議題では防衛分野の協力に重点的に焦点を当て、宇宙、サイバー、電磁波といった安全保障の「新領域」での協力を今後強化することを強調した。(文:文威入。中国軍網掲載)
注目すべきは、会談の声明で「米軍と自衛隊の施設の共同使用の増加」を特に強調したことだ。どの施設を共用するのかは明らかにされていないが、沖縄県内の米軍基地や自衛隊施設を指す可能性が高いと推測される。現時点で施設の共用となっているが、その意図は明らかに資源と部隊の「共用」にあり、両軍の統合作戦システムの構築推進を意味するものと思われる。
近年、米国はいわゆる「インド太平洋」の軍事配備の調整を進め、日本に対して、「戦争事態」への米軍との共同対処すらも含め、米国の世界戦略においてより大きな役割を果たすことができるよう、より包括的な軍事同盟義務を担うよう要求し続けている。そしてこれは、現在日本が追求し続けている戦後秩序の束縛からの解放と軍事力の拡充という意図と期せずして一致する。従って、軍事的統合を推進して、自衛隊を米軍の訓練・作戦システムにより深く融合させることにおいては、両国間で容易にコンセンサスが得られる。それには、今回強調された軍事施設共用の増強が有効な足掛かりとなる。「施設の共用」を利用して「共同訓練」さらには「部隊運用の融合」へと容易に移行できると考えられる。そうなれば、自衛隊はおのずと米国の作戦システムの不可分の一部となり、いかなる事態でも米軍と共に戦わざるを得なくなる。
表向きは日米の共通懸案事項について議論した会談だが、冷戦思考の特徴が顕著な議題が多く、いかにして他国に共同対処するかという意図が随所に見られ、重大な懸念と深い警戒に値する。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年1月12日