設備を担ぎ「雲頂1号」ステーションに向かう北京冬季五輪張家口ゾーン気象設備保証チーム。画像出典:中国気象新聞網
北京冬季五輪は過去20年近くで唯一の、大陸性冬季季節風が主導する気候条件下で開催される冬季五輪だ。会場は複雑な山間部に位置しており、大会開催の需要を満たすには100メートル級の予報が必要だ。これは世界的にも初めてのことだ。人民日報が伝えた。
観測は気象予報の一歩目だ。会場の気象観測ステーションは冬季五輪気象観測のために建設されたもので、気象衛星、気象レーダー及びその他の特殊観測装置と共に、綿密な「地上・空中・宇宙」立体観測ネットワークを形成し、会場の全面的な気象リアルタイムデータを取得し、予報・予測能力を高める重要な基礎観測を提供する。
「雲頂1号」は張家口ゾーンの建設の難易度が高い気象観測ステーションの一つだ。フリースタイルスキーの会場の上に位置し、周囲の傾斜は45度を超える。険しく滑りやすく、冬になるとスノーモービルでも到達しにくいほどだ。気象観測ステーションを建設・維持するため、作業員は1人当たり10キロ余りの装備を背負うことしかできず、アイゼンを使い雪をかき分け道を作り、一歩ずつ山頂を目指す。
コース気象ステーションを含め、北京冬季五輪の3ゾーンで計441セットの現代立体観測施設が建設された。これに各種気象レーダーと気象衛星を加え、「3次元、秒級、多要素」の立体観測ネットワークを形成し、冬季五輪ゾーンの精密な観測を実現した。
国家重点研究開発計画「テック冬季五輪」特定プロジェクト(気象)の責任者である陳明軒氏によると、これまでの冬季五輪の気象予報は1000メートルグリッドがメインで、30分から1時間ごとに更新されていた。「北京冬季五輪気象予報ネットワークは100メートル、さらには67メートルまで精密になり、更新の頻度は最高で10分で、質的な飛躍を遂げており、冬季五輪気象サービスに力強いテックサポートを提供する」と陳氏。
AI(人工知能)予報技術も冬季五輪に初めて導入された。大量の気象観測データと数値天気予報データの「再解読」により、客観的な気象予報を「再訂正」し、冬季五輪気象予報の正確度をさらに高めた。国家重点研究開発計画「テック冬季五輪」特定気象プロジェクトは現在、世界気象機関の高影響気象予報モデルプロジェクトに指定されており、世界の関連技術の研究開発と応用に中国の経験を提供している。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年1月26日