イラスト作成・馬宏亮 |
国連のグテーレス事務総長は先ごろ、ウクライナ危機によって最大17億人が貧困と飢餓に陥り、世界人口の5分の1以上に影響が及ぶ可能性を指摘した。
米国を主導とするNATOは、ロシア・ウクライナ紛争という「パンドラの箱」を開けた責任から逃れられない。1990年代初頭、ベイカー米国務長官(当時)は、ゴルバチョフ大統領に「NATOは1インチたりとも東に拡大しない」と約束した。しかしその後、米国主導のNATOは信義に背いて5回も東に拡大し、加盟国を16ヶ国から30ヶ国に増やし、1000キロ以上東に拡大してロシア国境へと迫り、一歩一歩ロシアを追い詰めていった。
早くも1997年、米国のジョージ・ケナン元駐ソ連大使は、NATOの東への拡大の継続は冷戦後の米国の政策において最も致命的な過ちになると警告した。今や、この論断は的中した。ウクライナ危機は世界に計り知れない深刻な影響をもたらしている。しかしNATOは依然として冷戦思考に固執し、火に油を注ぎ、分断と対立を生み出している。
「パンドラの箱」を閉じる鍵は、米国とNATOの手中にある。現在のウクライナ危機を前に、米国を主導とするNATOは省察し、責任を負うべきである。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年4月27日