中国大学統一入学試験(通称「高考」)の初日、遼寧省瀋陽市で試験に挑んだ受験生3万9千人のなかに、ちょっと特殊な受験生の姿が見られた。その受験生とは、フードデリバリー配達員。午前の試験開始前、受験生が続々と会場入りするなか、瀋陽渾南四中(中高一貫校)試験会場では、宅配用バイクに乗った若者が、バイクを駐車させると、試験会場担当の交通警察にスマホの保管を頼み、受験票と文房具を取り出し、試験会場の防疫検査を受け、素早く試験会場へと入っていった。光明日報が報じた。
今回、大学入試に挑んだフードデリバリー配達員の男性は陶帥辰さん。オンラインデリバリープラットフォーム「Eleme(餓了么)」で働いている。2002年5月に地元瀋陽で生まれた彼は、「高等学校卒業と同等学力を有する受験生」として今回の大学入試に参加した。彼の宅配用バイクには、宅配用ボックスが2つ取り付けられており、そのうち1つには、復習用教材がぎっしり詰められていた。また、彼の電動バイクの車体や宅配用ボックス、さらにはヘルメットにまで、「人生は波乱万丈だからこそ素晴らしい」、「今回はきっと上手く行く」、「学ぶことは何よりも大切」、「まず努力して優秀になることで、気前よく手に入れよう」といった自己啓発のメッセージが書かれたシールが貼ってあった。(編集KM)
「人民網日本語版」2022年6月9日