スイスのUBSグループのウェルス・マネジメント本部チーフ・インベストメント・オフィス(CIO)は7日に発表した報告の中で、貿易関税、新型コロナウイルス感染症の影響、人件費の上昇といった要因がグローバルサプライチェーンに重大な変化が起こる流れを後押ししたが、分野・品目がそろった規模が巨大な中国の製造チェーンは引き続き他国では代替することができないものだと指摘した。
CIOの分析によると、アジアでは中国以外の市場の競争力が徐々に高まる上、各国とも敏感な技術の国内回帰を奨励する措置を打ち出している。情勢が変化しつつあるものの、「メイド・イン・チャイナ」の主導的な地位を揺るがすことはないだろう。中国向けの海外直接投資(FDI)の勢いがこうした見方を裏付けるという。
またCIOは、製造チェーンのミドルクラスと中間製品について言えば、分野・品目がそろい規模が巨大な中国の製造チェーンは引き続き他国では代替不可能との見方を示し、次のような例を挙げた。アップル社はすでにロークラス製造部門の一部を中国からコストの低い国へ移転させたが、最近は中国のサプライヤーを新たに増やした。これら新しいサプライヤーは光学ユニット、センサー、コネクタなど、付加価値がより高く、より知識集約型の中間製品を製造するメーカーだ。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年6月8日