ベンガル湾で演習「マラバール2021」を実施する日米印豪の海軍 |
2021年12月4日から17日まで、米海兵隊は日本の陸上自衛隊と指揮統制・連携要領の整備によって共同作戦能力を高めることを目的に、日本各地で演習「レゾリュート・ドラゴン」を実施した。(文:朱春雨<軍事科学院大学院>。中国軍網掲載)
近年、自衛隊は米軍との演習・訓練を足掛かりに「切れ目のない協力」を強化し続け、共同行動計画を検証し、作戦統合を加速している。これと同時に、両国は域内外の国々の抱き込みにも一段と力を入れ、インド太平洋地域を撹乱している。米国には日本に対する制約を緩和する意図があり、日本には米国の力を借り地域における影響力を拡大する狙いがある。日米が手を組んでインド太平洋で事を起こす危険性が著しく増大している。
日本側の公表したデータによると、2021年に日米は二国間合同演習を40回以上実施した。これは自衛隊の年度演習の半分以上を占める。これらの演習は規模、内容、地域などの面で多くの進展があった。また、日米は実戦的意味合いのより強い、ターゲットを絞った合同演習を繰り広げた。
バイデン政権は発足以降、引き続き「インド太平洋戦略」を強力に推進し、インド太平洋地域への戦略投入を拡大し続けている。米国には、二国間または多国間演習を通じて武力を誇示することで、同盟国やパートナーを集め、責務を果たす姿勢を示し、より高水準の安全保障ネットワークを構築して、インド太平洋地域の問題における主導権を維持する狙いがある。米国は日本を重要な駒と見なしており、日本を戦略競争の橋頭堡、軍事対立の前線基地にすることを望み、自らの力不足を補うために同盟任務をより多く担うよう日本に促している。
日本側には、米国に頼り、他国を引き込むことで自信を強めようとする一方で、これを機に軍事モデルの転換を推進し、作戦能力を強化し、攻撃的軍事力構築の突破口を開きたいという思惑もある。長期的に見れば、日本のこの動きにはより大きな戦略的企図がある。すなわち、地域問題における日本の影響力を高めるとともに、世界的問題への介入と軍事・政治大国化という目標達成に向けて地ならしをすることだ。
最近の日米主導の一連の演習は「南西有事」という基本想定に基づき、離島奪還作戦能力に焦点を合わせたものが多い。日米による様々な戦争シナリオを想定した全過程・全要素の戦争対処演習は、地域の平和と安定を深刻に脅かすことになるだろう。
特に警戒すべきは、日本が米国の同盟体制の中でより重要な役割を果たそうとしていることだ。第二次世界大戦後、日米は軍事同盟を結び、「米国が主導、日本が補佐」「米国が攻撃、日本が防衛」という軍事・安全保障構造を形成した。近年、日本は主体的意識を強め続け、米国の黙認さらには支持の下、同盟における「保護対象」から「作戦区域パートナー」、さらには「グローバル・パートナー」へと次第に転換しつつある。 このことは、日米同盟が攻撃的要素を強め続けていることも示している。将来的には、日本は引き続き米国と連携してインド太平洋地域でプレゼンスと行動を強化し続ける可能性が高く、両国が手を組んでこの地域で事を起こす危険性が増大し続けている。周辺諸国は、このような動きに強く警戒すべきである。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年1月6日