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教師・児童1000人が自給自足する雲南省の小学校が大きな話題に

人民網日本語版 2022年09月28日14:58

雲南省宣威市西寧街道(エリア)にある靖外明徳小学校の教師と児童約1000人は、自分たちで育てた家禽と家畜の肉や野菜を使った食事を1日3食食べているだけでなく、それら食材を周囲の他の学校にも提供している。そして、自分たちで作った「動物園」で生物の授業を受け、自分たちの育てる植物がある温室で美術の授業を受けている。そんな同小学校が最近、中国国内で大きな話題となっている。人民網が報じた。

農村の小学校5校が統廃合して2008年に設立された同小学校は、労働を通して、児童の成長をサポートすると同時に、教師や児童が3食の食材も自分たちで作っており、こうした取り組みを続けて今年で15年目になる。

「ブタもニワトリも動けないくらい太っているよ」。今年の秋学期が始まって以降、雷応飛校長が微信(WeChat)にアップした画像には、まるまると太ったニワトリやブタ、すくすくと育った野菜などが映っている。そして、「トウモロコシやナスも収穫時期になったので、ここ数日は児童たちが労働の授業で収穫の方法を勉強している」と綴っている。

靖外明徳小学校には約10ヘクタールの労働教育基地があり、そこでは家禽と家畜が育てられているほか、たくさんの野菜も栽培されている。普段の世話は、専門の係員が担当しているものの、各クラスの1週間に2コマある労働授業では、児童たちが専門の教師の指導の下、家畜の世話や農作業を行っている。3年生になると、クラスごとに畑が割り当てられる。

コメや調味料以外の、教師と児童約1000人の3食の食材は全て約10ヘクタールの労働教育基地で育てられた家畜や野菜だ。食べきれない肉や野菜は販売して、貧困家庭の児童の援助や学校の建設費用などに当てられている。

シカやダチョウ、ホロホロチョウなどを見るたびに、児童たちは大興奮。手を伸ばして柵の向こうの動物にエサをあげている。学校の「動物園」は、認可を受けて建設され、児童たちは視野を広げることができると同時に、どのように小動物に接するべきかを学ぶこともでき、「このようなリアルな生命教育の授業を通して、児童たちは動物を大切にすることを学び、知らず知らずのうちにそれを周りの人に伝えている」と雷校長。

美術や語文(国語)、数学といった科目の教師も、授業の内容に基づいて、児童を連れて教室を出て、動物園や畑、温室に向かう。教師は、「大自然の懐に抱かれ、勉強するというのは、部屋の中で勉強するよりもずっと詩的だ」と声を揃える。

この15年間、同小学校の労働授業は、カリキュラムや評価基準を整備してきた。そして、今では学年ごとに掃除・片づけ、緑化・美化、野菜栽培、動物の飼育、家事・労働、職業体験といった授業が設置されている。保護者からは、「子供が自主的に手伝いをしてくれるようになったし、農作業もしてくれるようになった」と歓迎する声が続々と寄せられている。

雷校長は、「土に触れずに育つというのはよくない。働くことによって培われる優秀な人格は、その子の一生に影響を与える」との見方を示した。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年9月28日

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