上海交通大学海洋学院の教員と学生約80人が8月31日、中国の極地観測船「雪竜」号に乗り込んだ。「雪竜」号は黄海を試験航行し、学生は海洋調査や海洋での緊急時対応予行演習の基本的な知識などを学ぶほか、器具を実際に操作して最先端の海洋科学調査施設を体験することができる。今月1日から6日の6日間にわたり、自然資源部(省)中国極地研究センター(中国極地研究所)の専門家と共同で、科学と教育を融合した「海上実践」カリキュラムとして、海洋の6大方向性である物理、化学、生物、地質、技術、戦略の学習・研究を展開する計画だ。「雪竜」号で必修科目を実施するのは、同大学が初となる。
8月31日午後に開催された「雪竜」号の試験航行及び科学・教育融合カリキュラムのスタートを告げる出航セレモニー。写真は全て上海交通大学が提供
「雪竜」号は、中国最大の極地科学調査とその支援を任務とする砕氷船で、太平洋、大西洋、インド洋、南極海(南氷洋)、北極海(北氷洋)での航行記録があるほか、中国のさまざまな航海記録を打ち立ててきた。
上海交通大学海洋学院の周朦院長が今回の航行の首席科学者を務め、海洋学院の教員や学生約80人と、極地センターの専門家約10人が「海上実践」に参加している。
9月1日午前の出航時の記念写真。
今回の航行のリーダーを務める、極地センターの船舶・飛行機管理処の徐寧処長は、「今はちょうど『雪竜』号のメンテナンスが終わり、試験航行に出る時期だ。それで、極地センターの科学調査プラットフォームの優位性を活かし、双方の優秀な科学と教育の力を一つにすべく、共同でこの実践系カリキュラム設置にこぎつけた。学生にとっては、海上科学調査の全てのプロセスを学ぶ機会となる」と強調する。
船内の様子。
「海上実践」カリキュラムは、上海交通大学海洋学院が2018年に全学生を対象に開設したもので、上海の高等教育機関として初であるとともに唯一の必修科目。今年、初めてそのカリキュラムを「雪竜」号で実施することとなった。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年9月3日