引き揚げ現場(撮影・金立旺)。
世界で初めて「弧状梁非接触文化財全体移転技術」を採用して、清の時代の沈没船「長江口2号」全体のサルベージが21日に長江河口で完了した。「長江口2号」は水中に眠っている船としては中国考古学史上最大の木製の沈没船だった。新華網が報じた。
20日夜から21日明け方にかけて、1万トン級の作業船「大力」と、中国が独自に研究開発した古船引き揚げ専用作業船「奮力」が協力して、長江の河口・横沙水域で「長江口2号」の各種調整作業を行い、スマート引き揚げモニタリングシステムを活用して、引き揚げ作業を実施した。
引き揚げ現場(撮影・金立旺)。
「長江口2号」は清の時代の貿易商船で、船体は約38.1メートル、幅9.9メートルで、すでに船室31室が設けられていることが確認されている。中国の水中遺跡調査で発見された最大規模、かつ保存状態が最も優れた木製帆船で、船内には膨大な量の文化財が積まれている。上海市文物(文化財)局の方世忠局長は、「『長江口2号』の発見により、上海は長い歴史を誇る港湾都市であり、近代には東アジア、ひいては世界の貿易や船舶輸送センターとなってきたことを示す貴重な歴史的証拠だ」との見方を示している。
中国国家文物局・党組のメンバーである関強副局長は、「『長江口2号』の引き揚げ成功は、水中工学技術と文化遺産保護の理念の見事なコラボレーションで、世界の水中文化遺産保護に『中国の成功例』、『中国モデル』、『中国の経験』を提供することができる」と強調する。
引き揚げ現場(撮影・金立旺)。
今後数日以内に、気象条件や潮位の状況を見ながら、「長江口2号」は上海・楊浦浜江の上海(元)船廠(造船所)1号ドックに移されることになっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年11月21日