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職場には食堂がないし、ご飯を作る時間もなく、いつもデリバリー食品を食べるのは健康に悪い。サラリーマンは毎日の食事をどうしているのだろうか。少し前に、「90後(1990年代生まれ)の女性が食事を作りたがらず、700元(1元は約19.4円)払って『托管班(放課後などの時に子どもの世話をする場所)』の『小さな食卓(小飯卓)』の食事を食べている」というニュースが話題になった。
この「小さな食卓」は元々小学生のための子ども食堂で、学校近くの住宅街にはこうした場所が多く存在する。数百元払えば、1ヶ月分の昼食と夕食を食べることができる。最近は食事時になると、多くのサラリーマンがやって来てここでご飯を食べるようになった。食事の内容は子どもの世話をする担当者が全面的に管理し、小さな子ども向けの定食スタイルになっている。ただメニュー以外のものを食べようと思っても、食べられない。
蘇州出身のサラリーマンの楊さんは、初めはお弁当を持参していた。デリバリーは不健康だと考えているので、お弁当を作りたくない時は外に出て軽食を食べていたという。しかしビジネス街ではちょっとしたメニューでも50元以上はしてしまう。「軽食の費用を計算したらジムの費用より高かった。それに一番肝心なのはお腹いっぱいにならないことだ」と困っていた楊さんだが、ある時、自分の家の隣の「小さな食卓」が大人を受け入れており、自分でご飯を作らなくても、決まった時間に家庭料理が食べられると知り、すぐに利用の申し込みをした。
楊さんは毎月「小さな食卓」の責任者に料金を支払っており、1食あたりでは23.3元の計算になる。油分・塩分控えめの「小さな食卓」でダイエットをもくろんでいたが、「元を取ろう」という気持ちが働いて、「1ヶ月経った頃には、全然やせないどころか1.5キログラムも太ってしまった」と話す。
通い慣れてくると、好きなメニューを出してもらうやり方も覚えた。調理のおばさんに「明日はこれが食べたい」と言っておけば、次の日にはそれが出てくるという。「食べきれなければ、おばさんがそれを包んでくれるので、家に持ち帰って食べる」と楊さん。
こうした状況を受けて、多くの人がサラリーマンの食事問題に商機を見いだし、「大人のための小さな食卓(成人小飯卓)」を立ち上げた。
SNSでは、「大人の小さな食卓」と検索すると、画面には多種多様のおいしそうな料理の写真がずらりと並ぶ。キャッチコピーには「うちの目玉は家庭の味、新鮮な食材と衛生的な環境を保証、お届けも受け取りも可能」とあり、たくさんの反響があり、価格や配達エリアの問い合わせも少なくない。
「大人の小さな食卓」をテスト営業する芸さんは、60歳の義理の父親に料理長を担当してもらっている。グルメを愛し、余暇に自らも台所に立つ舅の手料理は、知人達から高い評価を得ていた。現在、店の常連は数人で、店を回していくのはそれほど大変なことではない。芸さんは、「今は大体毎日、いつも家で作るよりも少しだけ多めに料理を作ればいい。小さいフライパンなら2回調理すれば間に合うくらいの量だ」と話した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年4月28日