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市場規模7年連続世界一 デジタル・スマート化で中国の物流が加速

人民網日本語版 2023年04月24日10:29

今年に入ってから、中国では宅配便の業務量が猛烈な勢いで増加している。中国の物流市場の規模は7年連続世界一で、現在の中国郵政宅配便業界における1日あたりの集荷量と配達量はどちらも3億件を超えている。

宅配便・物流業界はデジタル化・スマート化への急行車に乗っており、従来の人頼みの倉庫・貯蔵・仕分けモデルから、人工知能(AI)、モノのインターネット(IoT)、ビッグデータなどの技術が組み合わさった「デジタル・スマート化」モデルへと変わっていることで、デジタル・スマート化は宅配便のスピードをさらに速くしている。

可視化手段でパーソナライズオーダーメイド、1つのマップで管理調整・仕分け・配送の各プロセスを処理

1つの荷物が差出人の手元を離れて受取人の手元に渡るまでには、管理調整、仕分け、輸送など複数のプロセスをたどらなければならない。特に宅配便の仕分けは細かい作業で、大量のさまざまな種類の宅配便を、荷受けしたエリアによって仕分けするだけでなく、商品の性質や種類に基づいて区別しなければならない。人手による識別分類だけでは、ミスが起こりやすく効率が悪い。このため順豊速運(SFエクスプレス)はAI技術に基づいて、「スマートマップ」の応用を打ち出した。一般的なスマートマップと異なり、このスマートマップはデータと応用という側面でより深いレベルの研究開発を背景とし、衛星測位システム「北斗」、Wi-Fi、基地局の測位技術を「三位一体」にして融合させたもので、人間の記憶を完全に代替することが可能で、顧客の注文、スマート管理、中継仕分け、計画輸送、末端の配送など各プロセスを独自に決定することができ、「デジタルの触覚」を貨物の識別、配送担当者の管理、配送ルートの最適化など「末梢神経」へと十分に伸ばすことができるものだ。

浙江省江山市双塔街道にある順豊速運の仕分けセンターでは、自動化仕分け設備が整然と秩序よく稼働していた。同社で働いて6年になる配達員の呉浩明さんがしっかり梱包された宅配便を受け取りエリアに持っていく様子を見ていると、倉庫に宅配便がうずたかく積まれた光景が目に入るだけで、作業員の数はそれほど多くない。呉さんは、「これまで、宅配便の仕分けは時間がかかり労力が必要なペースの遅い仕事で、多くの熟練した仕分け担当者が共同で作業を進めなければならなかったが、今のスマートマップは仕分けアシスタントの役割を果たし、マップの可視化手段と地理的仕分け技術によって、注文の仕分け処理のスピードアップを可能にした。同時に宅配便の特徴に合わせて電子貨物送り状を個別に作成することもでき、人が処理する量が65%減っただけでなく、人件費の節約にもつながった」と話した。

デジタル・スマート化配送システムが全プロセス管理コントロールが可能に 山間地のイチゴが数千km運ばれても鮮度保つ

4月11日午前6時、貴州省凱里市にある貴州銀田冷鏈倉貯有限公司では、作業スタッフがスイッチを入れると、同市下司鎮馬場村のイチゴ農家の劉雍飛さんが夜を徹して収穫したイチゴ1万キログラムを冷蔵車で冷蔵倉庫まで運んだ。貯蔵時間と輸送時間によって庫内の温度は自動的に設定され、イチゴの鮮度が保たれるという。

同鎮はイチゴ栽培が盛んだが、これまで長い間、販売ルートを切り開くことができず、輸送中に問題が起きることが多かった。イチゴは傷みやすく貯蔵に適さない果物で、これまでは浙江省杭州市はもちろんのこと、同じ貴州省内の他の都市へ運ぶ時でも途中で半分ほどだめになることが多かった。しかし今では、凱里市は「クラウド倉庫+サービスセンター+ステーション+生産拠点+農家」による一体化運営モデルに基づき、「農村で商品を集め、クラウド倉庫で注文を集め、データを交換し、統一倉庫と共同配送によるスマート化宅配便サプライチェーンシステムを構築し、農産物の産地の情報化コールドチェーン構築を積極的に推進することにより、現地の農産物のネット販売を大きく推進した。統計によれば、2022年だけで、同市の特色ある農産物のネット小売売上高は6億元(1元は約19.4円)に達したという。(編集KS)

「人民網日本語版」2023年4月24日

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