北京 「最も流行している生活面での10の噂」 (2)
食べあわせ:果汁とシーフードは一緒に食べてはならない
噂:カキとカニ、エビとフルーツ、豆乳と卵を一緒に食べると互いに打ち消しあい、具合が悪くなったり、時には中毒になったりする。
真相:こうした説は人々の日常生活における不適切な総括であったり、科学研究に対する誇張や誤解によるものだ。民間に伝わる食べ合わせに関する数百の説を検証したある学者によると、正しいものは一つもなかったという。中国の生化学者、鄭集氏は1935年、食べ合わせの悪い食べ物184組の情報を集め、そこから日常的に発生しやすい組み合わせ14組を選んで、ラットやイヌ、サルなどで実験を行った。彼自身と同僚も7種類の組み合わせを体験した。食用から24時間、動物や人間の表情、行動、体温、糞便の色と回数などを調べたが、いずれも正常で中毒の兆候は見られなかった。中国栄養学会は最近、蘭州大学公共衛生学院、ハルビン医科大学と協力して、さらに厳密な「食べ合わせ」の実験を行ったが、異常は見られなかった。
「水からの伝言」 人の態度が食べ物に影響
噂:日本人の江本勝氏の人気書「水からの伝言」によると、同じ一杯の水を2つに分け、一つは褒め、一つはけなした後で顕微鏡で水分子の形状を観察すると、前者は整ってきれいで、後者は乱雑になっているという。
真相:水が人類の情緒を感じて反応することはない。「水からの伝言」の研究は関連の技術的手続きを満たしておらず、その結論も信じられるものではない。
温度と湿度が雪の結晶を決定する最も重要な2つの要素だ。もし結晶の温度が-5℃から-10℃の間の場合、結晶体は柱状や針状の構造になりやすいが、約-15℃ならば片状の結晶を形作りやすい。雪の結晶の形成は複雑なプロセスで、湿度と関連がある。湿度が小さいほど、雪の花のような形状はシンプルになる。この発見に基づきKennethLebbrechtは実験室内の人為的に設定した条件で様々な形の雪の結晶を生み出した。
江本勝氏が自分の「研究結果」を宣伝するのは商業的な目的による。氏の会社は「高エネルギー水」という水を販売しており、最も完全な結晶体構造を持つこの水は老化をペースダウンさせ、疾病を治癒するとされている。価格も安くなく、1瓶227グラムで35ドルする。
妊婦は電磁波防護服で胎児を保護する必要がある
噂:日常生活における携帯電話、電子レンジ、コンピューター等の各種電子機器は大量の有害な電磁波を出しており、これらの電磁波が妊婦の流産率を向上するという研究結果があることから、妊婦はできれば電磁波防護服を着用する必要がある。
真相:これは20年以上前の研究の結論を強引に捻じ曲げたものだ。
1988年6月に出版された「美国工業医学雑誌」(American Journal of Industrial Medicine)に、ある非営利医療機関の医師3人が「妊娠期女性のディスプレイ端末使用と流産・新生児の欠陥発生率との関係」という文章を発表した。この医師3人は1981-1982年間に1583人の米国・北カリフォルニアの妊婦の状況を調査し、妊娠初期3カ月に毎週20時間以上コンピューターをしていた妊婦の流産率がコンピューターを使っていない妊婦より高いとした。この研究結果が様々な「電磁波防護服」の製品宣伝で登場している。しかしこうしたPR材料は原著者のある一言を無視している。「我々の研究結果は電磁波放射と流産率の向上との間の直接的な関連を証明するものではない。よくない作業条件やストレスなども原因である可能性がある」。その後のさらに大規模な研究により、日常的な各種電磁波への接触は妊婦や胎児の健康に影響しないことが明らかになった。現在、こうした電磁波が人体の健康に害を与えるという証拠はない。