中国科学院重慶グリーン・スマート技術研究院は18日、同研究院と中国科学院宇宙応用工学技術センターが共同開発した中国初の宇宙3Dプリンターが、仏ボルドーで放物線飛行試験に成功し、微小重力環境での3Dプリントが可能になったと発表した。科技日報が伝えた。
同研究院3Dプリンター技術研究センター長の段宣明氏によると、このプリンターで作成できる部品のサイズは最大で200×130ミリに達し、アメリカ航空宇宙局(NASA)が開発した初の宇宙プリンターの印刷サイズの2倍以上に達する。同プリンターは仏ボルドーで今年3月上旬、放物線飛行による無重力下での試験を実施した。3日間で93回の印刷試験を行い、無重力・過重力・通常重力という3種類の状態下で、樹脂と複合材料という2種類の材料、4種類の模型を使った微小重力印刷を実現した。微小重力環境における3Dプリンターの作動への影響要因に関する実験データを集め、中国の2020年の宇宙ステーション建設、その後の運営の基礎を固めた。
段氏によると、宇宙での3Dプリンターによる製造は、宇宙ステーションのメンテナンスの需要を満たす効果的な手段だ。宇宙飛行士が無重力環境で、必要な実験・メンテナンス道具および部品を自ら製造できれば、宇宙空間の実験・メンテナンスの柔軟性を大幅に高め、宇宙ステーションの備品の種類・数量・維持費を削減できる。地球からの補給の場合、少なくとも半年待つ必要があるが、3Dプリンターならば交換する部品を1−2日で作成できる。(編集YF)
「人民網日本語版」2016年4月20日