「おひとり様経済」は市場シェアのごく一部 マイナス影響も?

人民網日本語版 2019年02月25日11:26

1人で住み、1人でご飯を食べ、1人で旅行し、1人で生活する…消費の高度化にともない、単身者・独居者層に向けた巨大な消費市場が緩やかに形作られている。2枚入りパックのパンはコンビニエンスストアの棚をみるといつも売り切れで、「1人でごはん」のアドバイスはますます多く出回り、200ミリリットル入りの赤ワインの小瓶が人気で、洗濯機や冷蔵庫といった生活家電は「シングル向け」が次々売り出される…こうした消費生活の中の細々した情景は、「おひとり様経済」が誕生し発展しつつある様子を静かに映し出している。「文滙報」が伝えた。

すべての人がお一人様経済を評価しているわけではない。コンビニチェーン・好隣居の陶冶社長は、「未来の消費の主流も引き続きファミリー世帯が中心になる。お一人様の消費支出は合わせても、市場シェアのごく一部分に過ぎない」と述べた。

中国社会科学院財経戦略研究院の張寧博士は、現在の日本社会の高い未婚率が経済に与えるマイナス影響を考察し、「目下の単身者にはより強い購買力と消費意欲があるが、それが必ずしも積極的な経済への寄与には転換していない。人々が当然だと考えていることは、単身の都市で働く人々が消費モデル全体を変えつつあり、娯楽やセルフケアなどの産業が利益を得ている、ということだ。だが自分は、ますます増える単身者や独居が経済に与えるマイナス影響の方がプラスの影響よりも大きいと考える。単身者が背負う責任は同年齢の既婚者よりも小さいので、自由気ままな生き方を選びやすく、仕事へのエネルギーを失いやすいからだ」と述べた。

醤醤さん(仮名)は日本で経済を勉強する大学院生で、代理購入を手がけると同時にアルバイトもしており、忙しくて夜の12時にならないと眠れない毎日だ。周囲を見渡すと、日本人の学友たちは消費意欲が低いだけでなく、結婚したがらない人が多いことに気づいた。結婚して家庭への責任を負うことは避けたいのだという。単身者の中には家庭のためによりたくさん稼がなければというプレッシャーがないので、自分の食い扶持さえ稼げればいいという人もいるという。

醤醤さんは、「男性の多くは自分には家族を養う力がないと考えており、実際に一家を養うことのプレッシャーは大きい。私の知り合いの日本人男性の場合、両親が彼のために家を用意しており、働きたくなければ、この家を賃貸に出して家賃で暮らせる。年を取ったら家を売り、田舎に行ってまた家を買い、2つの家の差額で老後の暮らしを立てるのだという。そんな彼だが、私たち中国人の方が暮らしが大変だと思っている」と話した。(編集KS)

「人民網日本語版」2019年2月25日

  

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