低所得で出費多、職業としてあまり認められていない「配達員」の実情とは (2)

人民網日本語版 2019年02月27日09:27

〇東部の「配達員」の平均月収は5110元

多くの人が、「配達員の収入は高い」と思っているが、現状はそうとは限らない。調査報告によると、彼らの平均月収は、「3千元(1元は約16.5円)以下」が23.3%、「3千~4千元」が20.2%、「4千~5千元」が25.7%、「5千~6千元」が13.2%「6千元以上」が17.6%をそれぞれ占めた。配達員の平均月収を地域別でみると、東部は5110元、中部は4464元、西部は4247元だった。

2017年、全国都市部の民営企業従業員の平均月収は3813.4元だった一方で、配達員は4859元で、27.4%高かった。このデータを見る限り、表面的には、宅配業界の収入レベルは低くはないが、配達員の高収入は、非常にきつい業務や長時間残業による結果にすぎない。時間あたりの報酬で見ると、平均23.9元と、最低賃金基準(人力社会保障部が発表した32都市の最低賃金基準は、北京が1時間24元、その他の地方は1時間15元から20元となっている)とほとんど変わらない。

具体的な報酬算出方法によると、「配達員」の賃金は、「完全歩合制」が多数を占め(55.8%)、「月給制(11.5%)」、「基本給+業績給(14.9%)」、「基本給+歩合給(10.6%)」が続いた。物流宅配や直販スタイルの多くが、「固定給+業績給」という報酬パターンを採用している一方で、フードデリバリー、宅配クラウドソーシング、フランチャイズ形式の多くは、完全歩合制を採用している。

〇配達員の過半数が「人々から敬意を払われていないと感じる」

配達員の支出についてみると、彼らの日常生活では、「消費が多く、娯楽が少ない」という傾向を呈していた。2017年、全国住民1人あたり消費支出は1万8322元で、同年の配達員1人あたりの消費支出は2万3459元と、全国平均より28%も多かった。聞き取り調査では、「給料でほぼ生活できている」と答えた人は44.5%、「生活は少し苦しい」とした人は33.2%、「生活は大変苦しい」と答えた人は19.4%だった。

配達員はこうした状況のもと、特に、「疲れ果てて、仕事が終わるとただひたすら眠りたい」ほど仕事上のストレスにさらされており、レジャーや娯楽に時間やエネルギーを注ぐ配達員は極めて少ない。その娯楽も「ショート動画を見る(17.8%)」、「音楽を聴く(15.0%)」、「テレビドラマや映画を見る(14.2%)」、「ゲームで遊ぶ(10.3%)」などにとどまり、「何もしない」が半数以上を占めた。

仕事が非常にきつく、収入レベルはそれほど高くはないものの、仕事に対する配達員の満足度は「中レベル」だった。仕事に対する満足度を10段階でみると、配達員平均は6.62で、「8以上」と評価した人の割合は44.8%に上り、「4未満」は15.9%にとどまった。

宅配の仕事に就く多くの若者たちは、「宅配はストレスが高くてしかもきつい仕事」と認識している。しかし疲れることは疲れるが、その収入はまあまあのレベルと言え、特に、時間について比較的自由で、決まったエリア内で配送任務を全うすればそれで良い点は評価されている。その一方で「自分の仕事は人々から敬意を払われていない」と感じている人は56.3%、「職業としてあまり認められていない」と考える人が65.1%に、それぞれ達していた。(編集KM)

「人民網日本語版」2019年2月27日

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