ジミ婚に派手婚、ホテルやレストランでのウェディングに海外挙式というように、中国でもこの20年ほどの間に、結婚式はますますオシャレに、様々なスタイルを選択できるようになってきている。しかしその一方で車を連ねて新婦を迎えに行く「婚車」や、新郎に課せられる「接親ゲーム」、結婚式で配られる「喜糖」など、しっかり残っている伝統もある。今回はそんな中国の結婚式事情について紹介していこう。人民網が伝えた。
ウェディングフォトブームきっかけにウェディングドレスが不動の地位に
中国では80年代頃から少しずつ純白のウェディングドレスがそれまでの中山服などにとって代わるようになり、90年代に台湾地区の撮影スタジオが大陸部に次々進出したことをきっかけに、ウェディングフォトブームが興り、結婚式においてウェディングドレスが欠かせない存在になっていった。また近年は「漢服」ブームの影響を受けて、チャイナドレスだけでなく、伝統的な赤い結婚衣装をお色直しや式場に移動するまでの衣装として着る人も増えてきている。
厳粛というよりはエンターテインメントな結婚式
都市部では90年代頃からホテルやレストランで結婚式を行うカップルが増えていき、中国の伝統的な風習と西洋の結婚式を組み合わせた独特なスタイルが次第に広まっていった。それは日本の披露宴に結婚の誓いや指輪交換といった挙式の要素を盛り込んだようなスタイルだが、司会のエンターテイナーっぷりがかなり際立っていることが多い。そして各テーブルで繰り広げられる「乾杯合戦」もスゴイ。また近年はブライドメイドやアッシャーまで従えた大掛かりな結婚式から、新婦をシェア自転車で迎えに行く「エコ結婚式」など挙式スタイルも多様化している。
しっかり残る色々な「伝統」
日本の結婚式と大きく違っていることと言えば、車を何台も連ねて新婦を迎えに行く「婚車」や、新婦を迎えに行った際に新郎に課せられる「接親ゲーム」、そして結婚式で配られる「喜糖」などだろう。これらの「伝統」は変化しながらも今でも結婚式で欠かせないものとして、若い人たちの間でも受け入れられている。一方で政府が先頭に立って無くそうとしている伝統もある。それが「彩礼(結納金)」だ。日本では儀礼化が進んでいる結納金だが、中国の場合、特に農村などでは、まだまだ風習としてしっかり残っており、あまりに高額な結納金を準備できないため、結婚できないというケースすらある。そのため近年、地方政府などが「結納金ゼロ」を呼びかけた合同結婚式を行うなどの取り組みが行われている。
今回紹介したのは都市部のごく典型的な結婚式についてだが、中国は広いだけあって、地方や民族によって結婚式の伝統から風習まで実にバラエティに富んでいる。機会があれば是非、「紅包(ご祝儀)」片手にそんな中国の結婚式に参加してみよう!(文・イラスト・玄番登史江、袁蒙)
イラストで知ろう!イマドキ中国
人民網ではもっと身近なスタイルで今どきの中国を読者の皆さんに知ってもらうため、「つるにはまるまるむし爺さん」と「へのへのもへ郎」、「へめへめくつ美」の3人が流行語やカルチャー、時事問題など幅広いジャンルにおける「イマドキ」を紹介。中国ってこんな国なんだ!と興味を抱き、理解を深めるきっかけにしてみてください。
「人民網日本語版」2019年11月28日