新型コロナウイルスによる肺炎によって強い打撃を受けた中国は、国を挙げてウイルスとの全面的な闘いを繰り広げている。現在までのところ、中国は湖北省以外で顕著な成果を挙げており、新型肺炎が全国へと大規模に拡大する危険性は抑え込まれた。湖北省内の状況も明らかに好転し始めている。だが新型肺炎が速やかに根絶されるか否かは、まだ不確定だ。新型コロナウイルスが通常のインフルエンザウイルスのように長期間存在することになる可能性も排除できないと考える専門家は少なくない。環球時報が伝えた。
中国はこの新型肺炎との闘いによって新型コロナウイルスの外国への感染拡大を力強く抑え込んだ。我々の数多くの臨床事例の積み重ねと社会の感染対策経験は、人類にとって貴重な認識の蓄積にもなった。しかし、新型コロナウイルスに対する我々の認識はまだ限られていると言える。中国は新型コロナウイルスをしっかりと抑制したように見えるが、これに対抗するための顕著に効果のある方法を見出したわけではない。世界各国は中国と一致協力して、世界的範囲で新型コロナウイルスに積極的に対処するシステムを構築すべきだ。
新型コロナウイルスが本当に慢性的に存在する冬季感染症となった場合、世界の他の地域での流行は不可避となる。日本の状況は1つの観察の視点を提供した。
日本は先進的な医療システムがあり、感染症に対する社会の警戒も比較的高い。それでも新型コロナウイルスは同国に停泊するクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」内で猛威を振るった。船内の感染拡大の勢いは武漢の最も深刻な感染地域にも匹敵する。また、日本本土でも比較的多くの症例が生じている。こうした全ては、新型コロナウイルスを前に各国社会はいずれも脆弱性を抱えているのであり、今回の感染状況が年を跨いで広がった場合、次にどの国や社会が深刻な被害を受けることになるか分からないことを物語っている。
米国の一部の政治屋は新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼び、ウォール・ストリート・ジャーナルは「中国は真の『アジアの病人』」と題する人種差別的記事を掲載した。このような軽薄さ、偏見、傲慢さは非常に危険だ。同様に、いつ、どのような威勢のよさがブーメランとなり、重い代償を支払うことになるかも分からない。
近代化は感染症に過去を遥かに上回る大流行の温床をもたらした。また、パニックはウイルスよりも速いスピードで広がっていく。ウイルスは人々のパニックによって破壊力を大きくし、現代文明の基礎を崩壊させる。パニックを抑制するには、各国政府が連携して科学的な感染対策措置を講じ、経済活動と感染対策活動の調和を確保することが極めて重要だ。
新型コロナウイルスのもたらした打撃は、現在人類社会が本当に試練に直面している分野の一つをはっきりと示した。人類共通の問題は絶えず顕在化していく。全人類は望もうとも望まずとも、いくつかの特殊な瀬戸際において、利益の入り交じる運命共同体となる。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年2月21日