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木工技術がすごすぎる!海外でも話題集める山東出身のおじさんの技

人民網日本語版 2020年07月16日10:09

人気ビデオブロガー・李子柒(リー・ズーチー)さんに続いて、古くから伝わる中国伝統のほぞ継ぎ技術を駆使して、釘や金物を使わずに、橋などを作っていく中国の木工職人・王徳文さん(63)が最近、動画共有サイト・YouTubeで話題となっており、その再生回数は4000万回に達している。

王さんのYouTubeチャンネルのチャンネル名は阿木爺爺(Grandpa Amu)。動画を見ると、王さんは幼い孫を連れて、自分で作った小さな橋の上から、小川の流れを眺めている。その橋はまるで「泰山」のようにしっかり作られていることが分かる。

王さんのYouTubeチャンネルにアップされている動画の再生回数は合わせて2億回を超えており、チャンネル登録者数も119万人に達している。なぜこれほど、ネットユーザーの間で人気を博しているのだろうか?その理由は、ほぞ継ぎの技術を初めて見る人が多いからだ。

王さんは、釘もネジも、接着剤も使わずに、ごくシンプルないくつかの工具で木材を加工し、ほぞ継ぎ技術を駆使して、橋だけでなく、ロッキングチェアや腰掛けなどを次々作っている。

外国人を特に驚かせているのは、王さんが作る魯班■(■は登の下に几)と呼ばれる折りたたみ式の腰掛けだ。

動画の中で王さんは紅木に鉋をかけると、鉛筆でしるしをつけ、その後、木に括り付けて固定したり、加工台の上で、糸ノコギリやノミを使い、加工している。流れるような職人技でしるしがつけられた部分が次々と分解された部品となっていくが、1枚の板はずっとつながったまま。最後にそれを広げると、なんと全てが繋がっている折りたたみ式の腰掛けとなり、閉じれば枕としても使うことができる。

この種の腰掛けは2600年前の春秋時代の魯国の著名な工匠・魯班が発明したとされる「魯班■」で、別名「魯班枕」とも呼ばれている。現在、中国でこのような技術を身に着けた職人はますます少なくなっている。

腰掛けだけでなく、王さんは孫のために、「魯班鎖リンゴ」と呼ばれるリンゴの形をした木製パズルも作っている。

さらに難度が高いのはハートの形のアクセサリーケース。指輪を中に入れて、組木による6段階からなるパズルを解かなければ指輪を取り出すことができない。知恵を絞らないとこのアクセサリーケースを開けることさえできないのだ。

それ以上に称賛のコメントを集めているのが、ノコギリで作りあげた中国2010年上海万博のミニチュア中国館だ。土台となる板1枚に、40本以上の組木の梁と柱、27個のジョイントから作り上げられ、組み立てられていく様子に、海外のネットユーザーは、これまで見たことのない新しい「中国のカンフー」を目にし、驚きに目を見張るばかり。中国のネットユーザーからも、「大工の神様・魯班の再来」というコメントが寄せられている。

山東省聊城市出身の王さんは現在、広西壮(チワン)族自治区梧州市で暮らしている。2017年、王さんはネット上で、折りたたみ式の腰掛けの「魯班■」を製作する動画を目にしたものの、作り方を学びたいと思っているネットユーザーには、その動画を見ただけではきっとわからないだろうと感じ、腰掛けを作る過程を紹介する動画を作成することを思いついたという。ちょうどその年、料理動画を製作していた王さんの息子も仕事に行き詰まりを感じ、新しいアイデアが思いつかず悩んでいたところだった。そのことを知った王さんは、腰掛けの作り方を紹介する動画を製作するというアイデアを息子に話し、一緒にそれを製作することにした。そして、YouTubeチャンネル・阿木爺爺が誕生した。

息子を助けるために動画撮影に協力している王さんだが、王さん自身もこうした動画を通して、自分の技術を他の人に伝えたいと願っており、「私もますます老いてきている。いくらすごい技術を身につけていても、他の人に伝えなかったら、無くなってしまう」と話す。

王さんは息子に、「撮影する時には必ずわかりやすいように撮影し、特に、寸法や、ノコギリやキリ、ノミなどでどのように加工していくかが、ネットユーザーがはっきりと分かるようにしてほしい」と頼んでいるという。思いがけなかったのは、王さんの職人技を紹介する動画がアップされると瞬く間にネットで人気を集めたことだった。しかも中国国内だけでなく、海外のフォロワーも数多くゲットしたことだった。

王さんが竹で作った船

王さんの「自分のやっている仕事に愛情を抱かなければならないし、興味を持たなければならない。ただ興味を持つということは決して楽しさだけで、苦しみを感じることは無いという訳ではない」という言葉も、ネット上で名言だともてはやされている。ある仕事を極めて職人になるというのは、つまりそういうことなのだろう。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年7月16日

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