復旦発展研究院コミュニケーション・国家ガバナンス研究センターの李良栄教授のチームがこのほど発表した「中国ネット社会心理状態調査報告(2020年)」は、データの裏側にある中国のネット社会の心理的な特徴を紐解いている。澎湃新聞が伝えた。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、2020年には「就職・転職」に関する検索指数が一年を通して変動した。
同報告のデータによると、「就職・転職/失業」関連の話題の検索指数は前年同期に比べて上昇傾向を示し、うち「就職・転職」は22%上昇した。特に4-6月には、関連の話題の検索量が数回のピークを迎えた。7月以降、中国国内の感染状況が効果的に抑制されると、国民の生産活動と生活が正常な秩序を取り戻し、「失業」関連の検索指数が低下を続けた。
データの傾向を見てみると、「就職・転職」の話題に最も注目するのは90後(1990年代生まれ)と00後(2000年代生まれ)だ。
90後は「就職・転職」関連の話題のすべての検索者数のうち45%以上を占め、00後はネット全体に占める人数は10.5%ながら、「就職・転職」関連の検索量では22%を占めており、その他の話題を大きく上回る注目度も示した。一方、80後(1980年代生まれ)、70後(1970年代生まれ)、60後(1960年代生まれ)はキャリア発展の中期から後期にさしかかり、仕事の状態が相対的に安定しており、感染症から受ける打撃は小さく、「就職・転職」の話題に対する注目度が低かった。
「介護」については、関連ワードの検索量が減少し、通年の検索指数の1日当たり平均は589で、前年比18%低下した。また検索指数のグラフは安定しており、感染症の影響は限定的だったことがわかる。
データの傾向を見てみると、「介護」を検索したすべての人のうち、90後が39%を占め、次は80後で35%だった。
同報告によると、90後は一人っ子世代として、両親の介護や祖父母の介護について考えるだけでなく、自分の介護問題についても計画を立て始めているという。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年3月18日