自閉症の子供13人からなる広東省深セン市の「愛特楽団」が最近、中国のネットで大きな話題を集めている。中央テレビニュースが報じた。
メンバーの一人であるオカリナを演奏する李岱■君(16歳、■はさんずいに豊)は、さわやかなルックスとピュアな瞳の持ち主で、笑うと、2本の八重歯が見え、ネットユーザーの心を鷲掴みにしている。
李君は、深セン元平特殊教育学校に通う中学3年生で、深セン市愛特楽団のメンバーだ。
李君の母親・胡さんは、「息子は楽団に入って3年になる。一番好きな楽器はオカリナとひょうたん笛。3歳の時に、自閉症と診断され、いろんな治療法を試したけれど、どれもあまり効果がなかった」と話す。
李君が成長するにつれて、胡さんは、李君が音楽にとても興味を抱いていることに気付き、深セン市愛特楽団に加入したとし、「息子は音楽が大好き。一つのことに没頭するというのは、じっとしていられない息子にとってはとても貴重な時間。楽団に入ってから、息子は主にオカリナを演奏している」と話す。
そして、「息子は楽団に通うようになってから、大きく変わった。とても明るく、快活になり、ステージでの演奏を楽しんでいる。以前は、気が小さく、自信もなく、人としゃべるのも苦手で、誰かと目を合わすことも避けていた。でも今は、知らない人にも微笑みかけている」と喜ぶ。
楽団の孫莉莉団長によると、楽団のメンバーのほとんどが、中度または重度の自閉症を患う子供たち。「初めは、子供たちの調子も不安定で、感情がコントロールできなくなることもよくあった。でも、保護者や教師と協力して、メンバーは約100曲を演奏できるようになり、イベントにも100回以上参加してきた」という。
そして、「電子ピアノコンテストに参加して、金賞も受賞した。審査員たちは、演奏中、自閉症の子供たちとは知らなかった。みんな本当にすごい!」と話す。
「一人でも多くの人が自閉症の子供に注目し、子供たちが音楽を通して、自分の力で社会に受け入れられ、尊重されるようになることを願っている」と孫団長。
ネットユーザーたちは、子供たちの演奏に感動し、「どの子にも輝ける所がある!保護者はほんとうにすごい、お疲れ様!」、「自閉症の子供に注目するうえで、最も重要なのは社会が彼らを受け入れるようにすることだ」といったコメントを寄せている。 (編集KN)
「人民網日本語版」2021年4月9日