チャノキがチャノミドリヒメヨコバイの虫害を受けると、深刻な場合は芽が枯死し、樹冠の頂部が焼けたようになる。チャノミドリヒメヨコバイは異なる気候と環境条件に速やかに適応できるため、個体群の数を急速に拡大し、しかも薬剤耐性が非常に高い。そのため茶畑にとって最も対策が困難な、最も主要な害虫の一つとなっている。今やこの害虫の環境に優しい対策の新たな手段が見つかる見込みだ。科技日報が伝えた。
福建農林大学が25日に明らかにしたところによると、アメリカ国立生物工学情報センターと中国国家ゲノム科学データセンターはこのほど、同大の尤民生教授の科学研究チームが行った初の染色体レベルのチャノミドリヒメヨコバイ参考ゲノムを同時にリリースした。同チームはこのゲノムを踏まえた上で、チャノミドリヒメヨコバイのチャノキの異なる品種、異なる生活環境条件への適応性のメカニズム及び体内の薬剤耐性の産生メカニズムを解明した。
研究者によると、今回発表されたチャノミドリヒメヨコバイのゲノムは現在、半翅目のゲノムアセンブリの連続性、完全性が最良のものだ。チャノミドリヒメヨコバイの体内の嗅覚受容体CSP遺伝子ファミリーが顕著な増幅を生み出すとともに、染色体にクラスタリング配列の現象が見られた。これはこの虫によるチャノキの匂いの識別、位置特定と密接に関連している。またチャノミドリヒメヨコバイの体内のP450遺伝子ファミリーにおけるCYP3とCYP4のサブファミリーに顕著な特異性増幅が見られた。この2つのファミリーは昆虫の体内の重要な解毒遺伝子サブファミリーで、チャノミドリヒメヨコバイの薬剤耐性の産生と密接に関わっている。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年7月27日