現在もなお新型コロナウイルスは世界中で感染拡大が繰り返されており、その起源を突き止めることが世界各国共通の関心事であることは間違いない。外交学院国際関係研究所の李海東教授は取材に対し、「第2次大戦以降、フォート・デトリックは一貫して米国の生物化学兵器研究における非常に重要な研究機関の1つであったうえ、毒素の漏洩や不適切な管理などの事故を暴露され続けている。これは米国のメディアが繰り返し公に報道している事実だ。2019年後半、フォート・デトリック近くの各地で原因不明の呼吸器系疾患が発生し、地元住民や米国メディアもこれらの症例と新型コロナウイルスとの関係を繰り返し疑ってきた。フォート・デトリックは疑わしい点が多く、自ずとウイルス起源解明の科学的調査に対する国際社会の正当な懸念を誘発した」と指摘する。人民日報海外版が伝えた。
李氏は、「米国が世界保健機関(WHO)など科学機関によるフォート・デトリックでのウイルス起源解明調査を拒絶するのには、いくつかの理由がある。外交戦略上の観点から見ると、米国の対外関係には根深いダブルスタンダードや覇権の思考がある。米国はどの国に対しても調査を行ってよいが、他国が米国に対する調査を行ってはいけないのだ。国家安全保障の観点から見ると、フォート・デトリックは攻撃性と防御性の両機能を兼備した生物化学研究施設で、米国の国家安全保障に関わる機密性の高い機関であり、そこで行われる生物化学兵器の研究と実験は、高度の破壊性と極度の危害性を備えていると言える。このような国家機密に関わる場所を外国が調査することを、米国は望まない。ウイルスの起源解明から見ると、フォート・デトリックは毒素漏洩などの安全上の事故を幾度も起こしており、新型コロナウイルスが漏洩した可能性がある。フォート・デトリックに対する米国の関係機関による管理や取り組みには不備があり、権威ある国際機関による組織的で完全かつ徹底的な調査を受け入れた場合、フォート・デトリックに存在する深刻な問題を暴露される可能性が高い。これは米国の国際的なイメージや評判に深刻な打撃を与えるため、米政府にとっては耐えられないものだ。米国はフォート・デトリックでの新型コロナウイルスの起源解明問題において『心にやましいところがある』から、権威ある第三者機関による調査を拒むのだと言える」と指摘している。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年8月5日