河南省、3万2000年前のヒトの頭骨化石を発見

人民網日本語版 2021年09月29日13:30

河南省文物考古研究院が27日に発表した情報によると、河南省平頂山市魯山県仙人洞遺跡で、今から3万2000年前のヒトの頭骨化石が見つかった。これは中国の現代人の起源や進化の研究に対して重要な意義を持つ。新華社が伝えた。

魯山県観音寺郷に位置する仙人洞遺跡は、標高576メートル。考古学従事者は昨年6月、魯山地区で旧石器考古学調査を展開した際に、洞窟内にヒトの化石、動物の化石、石器などを発見した。国家文物局の承認を経て、河南省文物考古研究院は昨年から今年にかけて平頂山市文物局、魯山県文物保護管理所と合同で、仙人洞遺跡の発掘調査を行った。

仙人洞遺跡からは現在まで、ヒトの歯と頭骨の欠片が発掘されている。このほか、動物の骨の欠片が1万個余り見つかっており、現時点で鑑定が可能な標本は287点で、プシバルスキーガゼル、一般的なウマ、ヤギ、ヒグマ、シカ、イノシシ、オオカミ、一部のげっ歯類小型哺乳類などが含まれ、今から約3-4万年前のものだ。他にも洞窟からは、剥片やスクレイパー、破片など14点の石製品が見つかった。これらは中国北方の伝統的な剥片工業に属する。

ウラン系列年代測定法によると、仙人洞遺跡から出土したヒトの頭骨の欠片2個の年代はそれぞれ、少なくとも今から3万2000年前と1万2000年前。古人類学者の鑑定によると、今から3万2000年前の頭骨はヒトの前頭骨で、厚さは現代人の変異の範囲内にある。

河南省文物考古研究院院長を務める仙人洞遺跡プロジェクト責任者の劉海旺氏によると、今から3-5万年前は現代人の拡散及び行動の出現、発展の重要段階だが、この段階の古代人の化石が見つかっている遺跡は極めて少ない。劉氏は、「これまでの研究によると、中原地域はこの段階ですでに旧石器文化が繁栄していた。これは文化的に、中国の旧石器文化が持続的に発展したことを証明したが、最も直接的なヒトの化石の証拠が欠けていた。魯山仙人洞遺跡における頭骨化石の発見は、中原地域のこの段階のヒトの進化に関する空白を埋めるもので、中国の現代人の起源や進化の研究に対して重要な意義を持つ」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年9月29日

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