中国国家衛生健康委員会・疾病予防管理局の宋士勛氏が最近開かれた第3回国民視覚健康サミットフォーラムで明らかにしたデータによると、2020年、中国の児童・青少年の近視率は52.7%だった。うち、6歳の児童が14.3%、小学生が35.6%、中学生が71.1%、高校生が80%以上だった。中等度・強度の近視の割合は約50%だった。地域別に見ると、西部より東部、南部より北部のほうが近視が深刻だった。都市部と農村部に分けると、都市部の近視率が56.5%と、農村部を8ポイント上回った。ただ、農村部の近視率の増加ペースはこの2年、都市部を上回っている。児童・青少年の近視モニタリングでは、できるだけ子供が小さな時から近視対策を講じるのが効果的であることが分かっている。強度の近視になると、眼科疾患へと発展する可能性が非常に高いため、決して軽視することはできない。中国青年報が報じた。
個人のレベルで見ると、強度の近視は、白内障や緑内障などを併発し、最悪の場合、失明することさえある。国のレベルで見ると、近視率が高ければ、精密製造、軍事、軍事工業などの分野の深刻な人材不足を招きかねない。
近視予防はできるだけ小さな時から
子供が小さな時からできるだけ近視対策を講じる必要があるほか、子供の年齢に合わせた対策も必要だ。児童の視力、屈折力というのは少しずつ発育するもので、乳幼児は皆、軽度の遠視で、大きくなるにつれて少しずつ回復し、10歳になる頃には正視になる。しかし、今の子供は10歳になる前の5-6歳の時に、近視になってしまうという。
国家眼視光工程技術研究センターの瞿佳センター長によると、就学前の段階の0-6歳の乳幼児の視力は発育が速く、遠視から正視へと発育するうえで重要な段階だという。保護者は、子供がテレビを見たり、スマホをいじったりする時間を徹底して管理しなければならない。幼稚園では、ゲーム性や娯楽性ある教育を展開すべきで、小学校化してはならない。0-6歳の乳幼児は、楽しく成長できる環境づくりをしてあげることがカギとなる。幼稚園に預けるのを1年遅らせるだけで、子供の近視発生率を大きく低下させることができる。小学校に通う7-12歳の子供は、環境や立場の変化に適応しなければならない段階で、良い習慣を身につけ、積極的に近視を予防しなければならない。小学生は近視の進行が早い段階となるため、しっかり対策を講じなければならない。13-18歳は、自我が急速に成長し、独立心が育つ段階で、この段階で近視になっていると、それを好転させることはできないため、悪化して強度の近視にならないように対策を講じなければならない。
瞿センター長によると、最も手軽で費用がかからず、健康的な近視の予防方法は、屋外で活動することだ。その他、近くを一定時間見た後、目を休める習慣を身につけることも非常に重要だ。例えば、20分間本を読んだ後は、20フィート(約6米)離れた場所を20秒見ると良い。また、よく運動し、しっかりと休息をとると良い。画面は大きく、なるべく離れて見るのが良く、読書の時間も少なめにし、合間にできるだけ休憩するのが良い。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年9月30日