メディアの報道によると、シニア向け改革が行われた後で初めての「ダブル11(11月11日のネット通販イベント)」期間には、「シルバー族」などと呼ばれる高齢者がショッピングの戦いに大挙して参戦しており、最も人気を集めた商品のランキングでは意外にもスマートフォンがトップに立ち、しかもそれはiPhoneだったという。ネットユーザーの中には、「な~んだ、自分が買えなかったスマホはお年寄りたちに全部買われてしまったんだ」などと冗談を言う人もいる。「北京青年報」が伝えた。
データを見ると、「ダブル11」期間に多くの高齢者が朝7時に購入ボタンを押している。というのも、高齢者たちはイベント開始の深夜0時まで起きていられないため買い物ができず、朝起きてすぐに買い物するしか方法がないからだ。
一日中スマホを握りしめ、バッテリーが切れると不安でいても立ってもいられなくなり、一時もWiFiの使える場所から離れられない。これは今時の若者だけの暮らしの様子ではない。インターネットの普及に伴って、ますます多くの高齢者がスマートデバイスを頻繁に利用するようになり、SNSやネットでのグループに過度に依存する「ネット中毒の高齢者」になる人も出てきた。「2020年高齢者のインターネットライフ報告」の統計によると、60歳以上の高齢ユーザーの1日あたりスマホ利用時間は64.8分に達し、オンライン状態が10時間を超える高齢者も10万人以上いる。
SNSでは、「両親がスマホ漬けになっている。どうしたらいい?」という話題が若者の間で熱い議論になっている。多くのネットユーザーが、「これまで8時にはベッドに入り、9時にはすっかりいびきをかいていた父や母が、今では12時になっても元気いっぱいで、スマホの世界に浸って眠ろうとしない」と話す。同報告は、「高齢の『うつむき族』(スマホ族)は生活を楽しんでいる。スマホで本を読む、ショート動画を見る、インタラクティブイベントに参加するなどの機能が、高齢者の老後生活の孤独感を大いに解消してくれる」との見方を示した。
こうした状況から、家族も社会も高齢者により関心を払うべきであり、もっと寄り添い、外での活動を計画するべきだということがわかる。コミュニティが健全で調和のとれた高齢者層の生活モデルを作り、高齢者により多くの選択肢と居場所を提供して初めて、彼らはスマホを手放して外に出ようとする気持ちになれる。家庭での生活がなんと言っても高齢者の暮らしの重心であり、子どもたちには本来なら寄り添う義務があり、社会や関連機関に任せきりにしてはならない。子どもたちがしばしば里帰りして親たちの様子を見に行き、たくさん話をしてコミュニケーションをはかり、高齢者が「家庭は暖かい、家族の愛情に守られている、尊重され認められている」と感じられるようにすることが、高齢者のスマホ漬けを予防する最良の方法だと言えるだろう。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年11月10日