六中全会

【国際観察】「米国型民主主義」の強引な移植は本質的に反民主主義的

人民網日本語版 2021年12月08日15:17

米国が知恵を絞って演出する、いわゆる「民主主義サミット」という茶番が間もなく演じられようとしている。

米国は世界覇権を推し進めるためにあらゆる極端な手を使い、事あるごとに選挙干渉や動乱煽動、政権転覆、さらには戦争発動などの手段に出て、「米国型民主主義」の「輸出」にかこつけて世界を惨禍と混乱に陥れてきた。第二次世界大戦以降、ほぼすべての米国大統領が在任中に戦争を発動するか、戦争に介入するかしてきた。過去10年間で、米国は20ヶ国以上に侵入したり、関係国の政権交代を策動したりし、中・東欧、中央アジア、西アジア、北アフリカの国々の「カラー革命」への介入や工作を繰り返してきた。国ごとの違いを無視した「米国型民主主義」の強引な移植は、本質的に反民主主義的であり、民主主義の輸出を手段とした他国への乱暴な内政干渉だ。

これほど米国が「米国型民主主義」の他国への押し付けに熱心なのは、それが荒稼ぎになるからに他ならない。2021年4月には、ハリス米副大統領自身が「戦争は数年来、数世代にわたり、石油を奪い合うために始められてきた」と認めた。米国は管轄権の域外適用を振りかざして、ほしいままに他国に武器を送り込み、一方的制裁を発動するたびに、多くの不当な利益を手にしてきた。例えば欧州では、2009年から2017年までの間に、管轄権の域外適用によって欧州から1900億ドル(1ドルは約113.5円)の利益を得た。仏アルストムなどの企業は制裁を受けた後、米国企業に買収された。スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)の2021年の統計によると、米国が過去5年間に輸出した武器は世界の武器輸出総量の3分の1以上を占め、世界最大の武器輸出国となっている。

「民主主義の移植」はどのような結末を迎えてきたか。米国は、自らが描いた「民主主義」という蜃気楼を実現できなかっただけでなく、世界中を激しい戦火に巻き込んできた。米国がいわゆる「対テロ戦争」を発動した2001年から今日までに、米国とその同盟国はその地域で少なくとも48万人の死亡を招いたが、その大半が罪のない民間人だった。2021年8月に米軍がアフガニスタンから慌てて撤退したことは、20年間にわたる米国の対アフガン政策の完全な失敗を告げた。「アラブの春」がもたらした深刻な社会的危機、発展の困難に直面する中南米、いまだに混迷が続くイラクやアフガニスタンなど、世界各地における「民主化」の後退は、「米国型民主主義」の移植が完全な失敗だったことを証明し続けている。

新型コロナウイルスによるパンデミックに際しては、米国政府の不十分な新型コロナ対策が、貧富の格差の持続的拡大、人種対立感情の蔓延、極端なポピュリズムの台頭を招き、「米国型民主主義」が八方破れであることを一段と露呈し、自国民でさえ大いに失望させている。AP通信の2月の世論調査では、米国の民主主義がうまく機能していると考える米国人はわずか16%で、半数近くが正常に機能していないとの認識を示した。

民主主義に固定的定義はない。ある国が民主的か否かの判断は米国の一存で決まるものではなく、結局のところその国の人々が判定すべきものだ。ましてや民主主義は覇権を推し進めるための名目ではない。いわゆる「民主主義サミット」は、米国が同盟国をかき集めて異分子を排除するための新たな手段に過ぎない。しかし世界は極少数の国の「鶴の一声」で決まる場所ではない。民主主義の旗印を掲げて、民主主義の精神を踏みにじり、民主主義の価値に背けば、必然的に国際社会から拒まれ、反対されるだろう。(編集NA)

「人民網日本語版」2021年12月8日

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