中国有人宇宙飛行報道官を務める中国有人宇宙飛行弁公室副室長の林西強氏が4日、神舟14号有人飛行任務記者会見で述べたところによると、神舟14号飛行任務期間中、コアモジュール「天和」と実験モジュール「問天」「夢天」を基本構造とする宇宙ステーション「天宮」の建設を全面的に完了し、国家宇宙実験室を完成させるという。新華社が伝えた。
林氏は、「国家宇宙実験室としての中国宇宙ステーション内には、25台の科学実験キャビネットを設置できる。その一つ一つが小型の宇宙実験室であり、単一学問分野または複数の学問分野を融合させた宇宙科学実験をサポートでき、全体的に国際的な先進水準に達している」と述べた。
うち、「問天」は主に宇宙生命科学の研究に向けて、生命生態、バイオ技術、重力変化科学などの実験キャビネットを設置し、複数種類の植物、動物、微生物などの宇宙条件下での成長、発育、遺伝、老衰などの応答メカニズムの研究及び閉鎖生態系の実験研究をサポートできる。
「夢天」は、主に微小重力科学の研究に向けて、流体物理学、材料科学、燃焼科学、基礎物理学及び宇宙技術試験など複数の学問分野の実験キャビネットを設置し、物質の本質的な法則の研究及び超冷原子物理学など先端の実験研究をサポートできる。同時に宇宙実験室「天宮2号」の冷原子時計を踏まえ、世界初の水素時計、ルビジウム時計、オプティカル時計を組み合わせた宇宙冷原子時計を建造し、宇宙で周波数の安定度と正確性が最高の時間周波数システムを構築し、重力赤方偏移や微細構造定数測量などの先端科学研究を展開する。その後はさらに宇宙ステーションと共に軌道上を周回するスカイサーベイ望遠鏡研究施設を打ち上げ、広域スカイサーベイによる観測を展開する。
モジュール内科学実験キャビネット、モジュール外試験装置、スカイサーベイ望遠鏡に対して、宇宙ステーション建設段階で100件近くの実験研究プロジェクトが計画されている。常態化運営に移った後には、さらに大規模な科学研究を実施する予定だという。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年6月6日