2012年12月1日、中国初の標高が高い極寒地を走る高速鉄道「哈大旅客専用線」(哈爾浜<ハルビン>-大連)が開通し、中国の高速鉄道マップが初めて最北の省・黒竜江省にまで拡大した。その後も、高速鉄道の建設が進み、哈大旅客専用線のほか、哈斉(哈爾浜-斉斉哈爾<チチハル>)、哈牡(哈爾浜-牡丹江)、哈佳(哈爾浜-佳木斯<ジャムス>)線などが次々開通し、高速鉄道マップが北国で拡大し続けてきた。人民網が報じた。
この10年の間に、黒竜江省哈爾浜市と遼寧省大連市を結ぶ哈大旅客専用線の総延長距離は81キロから約1400キロにまで伸びた。高速鉄道駅も、黒竜江省内の数駅から、省内のほとんどの県・区をカバーするにまで増加し、高速鉄道が同省沿線の地級市(省と県の中間にある行政単位)を「交流の輪」に組み込み、同省の経済振興・発展に強力な活力と原動力を注入している。
2021年12月6日、黒竜江省の牡丹江市と佳木斯市を結ぶ牡佳高速鉄道が開通し、哈牡と哈佳線と連結して、牡丹江、佳木斯、鶏西、七台河といった29駅が繋がって全長1015キロの路線となった。所要時間はわずか約6時間で、省内高速鉄道のクローズド・ループが実現し、省内「2-3時間経済圏」が形成されている。
冬の高速鉄道運行にとって最大の難関だった解氷・除雪作業も、今ではスマート化が進んでいる。高速列車の解氷、除雪の効率を上げるため、哈爾浜局集団公司は独自に解氷・除雪装置を開発し、高速列車の解氷・除雪庫を建設し、哈爾浜高速列車区間に導入している。同区間の安全科のエンジニア・李毅忱氏は、「以前は16人で4時間かかっていた8両編成の高速列車の解氷・除雪作業が今では、2人で1時間で終わるようになっている」と説明する。
高速鉄道が開通し、黒竜江省と中国全土の各中心都市間の所要時間も短縮されている。例えば、哈爾浜市と斉斉哈爾市を結ぶ哈斉旅客専用線は、哈爾浜、大慶、斉斉哈爾の3大都市と、省外の大・中都市を結ぶ重要な路線となっている。哈爾浜市と牡丹江市を結ぶ哈牡旅客専用線は、同省内の2大観光都市のアイス・スノー資源を連結し、高速鉄道沿線の氷雪大世界、亜布力(ヤブリ)スキーリゾート、中国の雪郷、鏡泊湖といった点在している観光スポットを線で結び、観光客は一度の旅行でそれらスポットを満喫できるようになっている。
またこのほど「黒竜江省『十四五』(第14次五カ年計画)総合交通運輸体系発展計画」が発表され、2025年をめどに省内の10地級市に高速鉄道を到達させる目標を掲げている。建設中の哈爾浜市と伊春市を結ぶ哈伊高速鉄道が完成すると、その所要時間が現在の7時間から1時間40分に短縮される。高速鉄道マップが拡大し続けているのを背景に、黒竜江省と他省間の所要時間が短縮し、高速鉄道の沿線都市が優良資源を共有するためのルートが開通し、地域経済の成長に新たな原動力が注入されている。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年10月10日