中国科学院高エネルギー物理研究所が建設・運営管理を担当する中国高標高宇宙線観測ステーション「LHAASO」、科学ペイロード「高エネルギー爆発エクスプローラー」(HEBS)、「慧眼」(Insight-HXMT)衛星3大科学装置がこのほど、これまでで最も明るいガンマ線バースト(GRB 221009A)を同時に観測した。中国が宇宙・地上の複数の手段によりガンマ線バーストを同時に観測したのはこれが初めてとなり、ガンマ線バーストの輝度、光子エネルギー、探査エネルギー範囲など複数のガンマ線バースト観測記録を更新し、ガンマ線バーストの爆発メカニズムの解明に対して重要な価値を持つ。人民日報が伝えた。
ガンマ線バーストは宇宙における最も激しい天体爆発現象で、1960年代に初めて発見された。ガンマ線バーストは短ければ数ミリ秒、長ければ数時間に及ぶことがあり、放出されるエネルギーは太陽の一生において放出するエネルギーの合計を上回る。
ガンマ線バーストの観測研究は天文学の先端領域だ。今回の「GRB 221009A」の発生前までのガンマ線バーストの輝度の記録保持者は、2013年4月27日に発生した「GRB 130427A」という番号のガンマ線バーストで、全世界のほぼすべての重要な望遠鏡が観測を行った。
今回観測された高強度爆発は地球から24億光年離れた場所で発生した。これほど明るいガンマ線バーストは、数十年さらには百年に一度しか発生しないと見られる。「LHAASO」は今回、大量の高エネルギー光子を観測した。光子エネルギーは最大で18兆電子ボルトにのぼり、世界で初めて10兆電子ボルト級のガンマ線バーストを観測した。そして「慧眼」衛星と「高エネルギー爆発エクスプローラー」と共に、この爆発の輝度は、これまで観測されていた最も明るいガンマ線バーストの10倍以上にのぼることを発見した。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年10月18日