中国科学院空間応用工学・技術センターの地上メイン教室で12日、「天宮教室」の第3回を視聴する児童・生徒たち。
宇宙授業「天宮教室」の第3回が12日午後4時1分、中国の宇宙ステーションで行われた。新任の「宇宙教師」の陳冬飛行士、劉洋飛行士、蔡旭哲飛行士が数多くの青少年向けに宇宙科学教育を行った。中国の宇宙飛行士が実験モジュール「問天」の中で授業を行ったのは初めてとなった。人民日報が伝えた。
有人宇宙船「神舟14号」の乗組員は約50分の授業で、「問天」での作業・生活シーンを生き生きと紹介し、微小重力環境における毛細管現象のデモ実験などを行った上、実験の裏側にある科学的原理を分かりやすく解説した。このほか、宇宙飛行士は中国の宇宙ステーション内で行われている稲とシロイヌナズナの栽培・研究状況を重点的に紹介した。
宇宙飛行士は授業中に地上教室の教員や児童・生徒とリアルタイムのインタラクティブな交流を行った。地上教室の専門家も関連する科学の問題について真剣に解説した。
今回のイベントは、中国科学院空間応用工学・技術センターにメイン教室が設置され、山東省菏沢市、河南省鄭州市、雲南省大理市に3つの地上サブ教室が設置され、約400人の小中学生の代表者が現場のイベントに参加した。
河南省科技館で12日、「天宮教室」の第3回を視聴する児童・生徒たち。
「天宮教室」はどのように準備するか?
「天宮教室」授業専門家チームのメンバーで、北京交通大学准教授の陳征氏は、「複数分野の専門家がこの準備に加わった。中には宇宙飛行システムの専門家、大学の教員及び科学研究者、小中学校の教員などがいる。宇宙飛行士は授業開始前にテストを繰り返し実験の効果を保証する必要がある。彼らはテストの結果を地上の専門家チームにフィードバックし、内容を何度も確認し意思疎通を図った。人々が目にする授業内容はわずか数十分しかないが、実際の準備には長い時間がかかった」と述べた。
従来の「天宮教室」と大きく異なる点は?
「天宮教室」の「教室」は従来のコアモジュール「天和」にさらに「問天」が追加された。こうすることで「宇宙教師」の活動範囲が広がり、ライブ配信で使用されるカメラとサポート設備がさらに増え、地上での調整作業がより複雑になった。
「天宮教室」のライブ配信の信号は、主に中継衛星「天鏈」により地上に伝送された。今回の宇宙授業で、画像・音声の安定的な伝送を保証するために、飛行制御チームはダブル中継衛星による追跡という方法を初めて採用した。
どのような実験プロジェクトが「天宮教室」に入選できるか?
中国宇宙飛行士科学研究訓練センターの宇宙飛行士訓練教官の石玉生氏は、「実験プロジェクトを選定する際に、第一に、宇宙と地上の現象の差が際立つこと、第二に科学的原理がはっきりすること、第三に全体のビジュアル効果が良好であること、という3点を主に考慮する。広められることで、真の科学教育効果を発揮できる」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年10月13日