パリモーターショー2022が17日にフランス・パリで開幕し、初日のプレスデーを迎えた。新エネルギー車(NEV)が今回の絶対的な主役で、出展された中国製の電気自動車(EV)が注目を集めた。
今回のモーターショーの狙いは、自動車業界が今経験しつつある革命的なイノベーションを展示することにある。電動化、ハイブリッド動力、水素燃料から未来デザイン、車載技術、スマートモビリティまで、自動車の生産・販売・サービスと新エネルギー関連分野の100社近くの企業が最新の製品を会場にずらりと並べた。
ルノー、プジョー、ジープ、DSなどのブランドは複数車種のバッテリー電気自動車(BEV)とハイブリッド車(HV)を出展し、複数の専門的ブランドは10数種類の斬新なデザインの超小型BEVを出展した。主催者の説明によると、EV向け電池を使用することに加えてデザインのファッショナブルさが魅力であり、こうした非常にコンパクトな環境にやさしいタイプ車種は欧州都市のモビリティと専門的物流で新たな人気者になっているという。
中国の自動車メーカーの比亜迪(BYD)は「TANG(唐)」、「HAN(漢)」、「ATTO3(元PLUS)」の3種類のEVを出展した。またグローバル戦略協力パートナーのシェルとともに、より質の高い充電体験を提供することを発表した。これにはBYD車のオーナーへ欧州に約30万本あるシェルの充電ポール使用権を開放することが含まれるという。
比亜迪(BYD)の展示ブース。(撮影・高静)
BYD国際協力事業部兼欧州自動車販売事業部の舒酉星ゼネラルマネージャーは、「BYDは現地の協力パートナーと共に、欧州の消費者に質の高い新エネルギーの製品とサービスを提供したいと考えている」と述べた。
長城汽車は傘下のスマートカーブランドの「WAY」の「Mocca PHEV(Coffee 01)」、「Latte PHEV(Coffee 02)」、「ORA」の「Funky Cat」などの新エネ製品を今回のモーターショーで次々にお披露目した。そのうち「Coffee 01」の欧州市場価格は現地で販売されている高級車と変わらず、人民元に換算すると約39万元(約800万円)以上だという。
長城汽車傘下の「WAY」の「Latte PHEV(Coffee 02)」。(撮影・高静)
長城汽車欧州エリアの孟祥軍総裁は、「欧州は長城汽車にとって最も重要な海外市場の一つだ。2025年までに、新エネルギー製品を50車種以上打ち出し、再生可能エネルギーの利用を全力でサポートしていく」と述べた。
東風汽車傘下のNEVブランドの塞力斯(SERES)はスポーツ用多目的車(SUV)の「Seres 3」と「Seres SF5」の2車種を出展した。塞力斯の発表によると、年内にフランスに販売店を70ヶ所設立し、23年の販売台数1500台を目指すという。
東風汽車傘下ブランドの「SERES」の展示ブース。(撮影・高静)
モーターショーに登場した中国製EVがフランスメディアの注目を集めた。仏経済紙「レゼコー」は、「中国EVメーカーの大半はすでに複数年にわたる量産化の経験があり、巨大な自国市場をよりどころに力強いサプライチェーンを構築した。欧州では、中国車は『衝突安全テスト』に優れた成績で合格し、有名デザイナーがデザインし、最新技術を搭載した中国製EVは価格の優位性により細分化された市場に食い込みつつある」と伝えた。
仏紙「ル・モンド」は、「形成されてからすでに数十年がたつグローバル自動車ブランドのピラミッドが揺らいでいる。中国の自動車メーカーの技術的な特徴が広く認められており、パリモーターショーに出展されることで、中国車は欧州市場進出に向けて知名度を上げられる。欧州自動車市場にしっかり根を下ろすため、中国メーカーは自身を強化し、ブランドイメージを少しずつ確立し、世界的な影響力を持つ製品を打ち出しつつある」と報じた。
パリモーターショーは2年に1回開催される。今回の会期は1週間で、主催者は延べ30万-40万人の来場者を見込む。
ルノーの展示ブース。(撮影・高静)
(編集KS)
「人民網日本語版」2022年10月19日