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対話型人工知能(AI)である「ChatGPT(チャットGPT)」をはじめとするAI技術は人間から仕事を奪うだろうか。北京大学の国家発展研究院の名誉院長と新構造経済学研究院の院長を務める林毅夫氏は、29日に行われたボアオ・アジアフォーラム年次総会の中で、「そんなことを心配するより、人間は技術の変革をより積極的に受け入れるべきだ」と述べた。林氏は、「AIという『サポート役』がいれば、将来に人間は週1日しか働かなくてよくなるかもしれない」と予想した。
林氏は、「変革的技術の発展に直面して、人々はそこに生産力の向上とチャンスの増加を見出す一方で、雇用や仕事のポジション、さらにはライフスタイルに対する挑戦と脅威だと感じる。このような挑戦に対し、私たちは歴史の中から経験と教訓をくみ取ることができる。工業化の初期に、人間は機械が仕事をよりよくこなすことを知ると同時に、自分の仕事が奪われるのではないかと心配もした。しかし今、当時のことを考えてみると、こうした技術の発展と進歩は人間が心から受け入れる必要がある。というのも生産力の向上は人間の進歩と生活水準の向上の基礎だからだ」と述べた。
林氏は技術の変革が一部の仕事のポジションを消滅させ、一部のポジションが減少するという見方は否定しないとしつつ、「これは人間に生活を楽しむチャンスをより多くもたらすことにもなる。産業革命の初期を例にすると、ほぼ全ての人が週に7日間、1日12時間働かなければならなかったが、今は週に5日間、1日8時間働くだけでよくなった。将来はAIが大量の仕事を受け持つようになると、人々は週1日、1日5時間だけ働けばよくなるかもしれない。だからこのチャンスを受け入れるべきだ」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年3月30日