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【中国キーワード】AIの新たな嵐を呼ぶGPT-4 中国企業はどう受けて立つか?

丸わかり!中国キーワード

人民網日本語版 2023年03月21日10:42

対話型人工知能(AI)の「ChatGPT(チャットGPT)」を発表したOpenAI社はこのほど、次世代のマルチモーダル大規模言語モデル「GPT-4」を発表し、世界中で広く注目を集めている。

GPT-4とは何か?

欧州科学アカデミーの外国籍会員で清華大学人工知能研究院の孫茂松常務副院長は、「GPT-4には確かに感嘆させられる。これはChatGPT、GPT-3.5(自然言語処理モデル)、CLIP(テキストと画像を結びつける画像処理モデル)を有機的に組み合わせたものだ。OpenAIはそれぞれ非常に優れた点があるこの3モデルを一体化した。同時に、GPT-4は学習する過程で一部のデータを増やし、データの規模をさらに拡大した。その中には画像もテキストも含まれる」と述べた。

GPT-4の核心となる向上ポイントは?

ChatGPTにこれまで組み込まれていた言語処理モデルはGPT-3.5であり、今回のGPT-4の核心となる向上ポイントは次の2点に集約される。1つ目は、基本的なスマートレベルが向上したことだ。GPT-3.0が世界の複数のテストを受けたところ、成績は後ろから10%だったが、新しいGPT-4はテストで人間の90%に勝つことができた。この進歩はデータ関連の学習とパラメータの蓄積によるものだ。また別の情報によると、GPT-4はほぼすべてのプログラミング言語を使用することができる。2つ目は、マルチモーダルモデルであることだ。ChatGPTはこれまではテキストでのやりとりしかできなかったが、今ではユーザーがChatGPTに画像を送ることが可能になり、ChatGPTは画像に対する反応をテキストで出力する。

さらに興味深いのは、GPT-4は単なる会話のサポート役ではなくなり、一部のユーモラスな画像を理解することも可能になったことだ。もちろん、人々が期待する動画理解レベルにはまだ及ばない。

将来、AIは人間から多くの仕事を奪う?

孫副院長によれば、AIが大規模に人に取って代わることはない。メカニズムから言えば、機械の役目はやはり人間をサポートすることで、人間の力強いアシスタントとして相対的に簡単な知的作業を手伝い、人間を一部の繰り返しの多い知的作業から開放してくれる。人間が複雑な作業をする時には、AIが一部の作業を手助けし、手間を省いて、作業の効率と質を大幅に高めてくれるのだという。

また、孫副院長は「本質的に言えば、機械が人間の知恵に取って代わることはない。人間の知恵、体験、知性が反映されたものであればあるほど、機械にとっては複雑なものになる。レベルが深ければ深いほど、取って代わることは難しくなる」とした。

将来、大規模言語モデルはどの方向に発展するだろうか。孫副院長は、「現在、GPT-4は画像処理対応が可能になった。将来の大規模言語モデルでは動画や3D画像などの処理が試みられるだろう」と述べた。

GPT-4にはどんな欠点があるか?

GPT-4にはもちろん欠点もある。たとえば、大真面目にでたらめなことを返してくることもあるし、一続きの会話だと判断できる回数に限界があり、経験の中から学ぶこともできない。そのため、セキュリティのための利用制限を設けなければ、GPT-4は偏った認識、虚偽の情報、さらには個人のプライバシー侵害などを大量に生み出す可能性がある。また、データ収集には時間がかかるので、GPT-4は2021年9月以降に起きた出来事を把握できていない。さらに、簡単な推測を誤ることもあれば、人間と同じように技術的に難しい問題で誤りを犯すこともある。たとえば生成したコードの中にセキュリティホールを組み込んでしまう可能もある。

中国の大規模言語モデル生成型AI企業はどう対応すべきか?

調査会社の天眼査のまとめたデータでは、現時点で、中国国内にはAI関連企業が258万8千社以上あり、そのうち22年に新規登録された企業は73万2千社に上り、増加率は41.5%だった。過去3年間近くのAI関連企業の新規登録数増加率は年間平均で40%を超えている。GPT-4が登場した後、こうした企業はどのように対応するべきだろうか。

浙江大学国際連合商学院デジタル経済・金融イノベーション研究センターの盤和林連席センター長は、「中国のAI企業はやはり蓄積を重視するべきだ。これにはパラメータの蓄積、データ学習の蓄積、計算力の蓄積が含まれる。テクノロジーの世界における競争では、カーブで追い越すチャンスはあるが、多くはない。たとえば、新エネルギー自動車の分野では中国はカーブでの追い越しを実現したが、多くのテクノロジー分野で展開されるのは陣地戦だ。中国の生成型AI発展の基礎固めをし、成熟度の高い製品を打ち出す必要がある」との見方を示した。

商用化で真っ先に恩恵を受けるのはゲームと文化・娯楽産業?

注目されているのは、複数の証券会社の研究報告と業界のアナリストが、メタバースの概念から派生した「デジタルヒューマン」産業がGPT-4から極めて大きな利益を受けると予想していることだ。

国盛証券は研究報告の中で、「3Dモデリングのデジタルヒューマンは精度が高いものだが、コストの高さと制作時間の長さが商用化をある程度難しくしている。しかしGPT-4のサポートがあれば、デジタルヒューマンはメタバースの世界の『アバター』となり、将来の用途はライブ配信パーソナリティや顧客サービスに限られなくなるだろう」と分析した。

計算力の向上とGPT-4モデルの高度化にともない、デジタルヒューマンはテキスト、画像、音声・動画を出力し、さらには微細な感情表現もできるようになるだろう。将来のデジタルコンテンツ構築のプロセスでは、メタバースのデジタル世界を真に構築し、デジタルヒューマンは社交、創作、シェアの能力を備えるようになり、GPT-4の登場後にマルチモーダルに対応した切り札的応用になる可能性がある。

ChatGPTの発表により、ゲーム産業への参入のハードルがますます低くなり、より多くの受け手の質の高いコンテンツを創造する能力が発揮されるようになり、AI生成コンテンツ(AIGC)技術と結びついたゲーム製品がより多く誕生することが予想される。同時に、ChatGPT関連技術がゲーム関係者にとって必須の基礎的スキルになる可能性もある。

西部証券の研究報告は、GPT-4は画像処理能力がすさまじいほど急速に向上しているため、画像・テキスト、動画の編集などの分野でしのぎを削っている企業がいち早くGPT-4を受け入れるのではないかと予想している。

網易有道の周楓最高経営責任者(CEO)は決算に関する電話会議の中で、教育産業での展開について、「今後数年でAIGC技術と大規模言語モデルが教育テクノロジーに大きな影響を与えると確信する。当社はこうしたチャンスを迎え入れるための準備をすでに整えている」と述べた。(人民網日本語版論説員)

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「人民網日本語版」2023年3月21日

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