3月に入り、中国の南方エリアでは春本番となり、春茶がおいしい季節を迎えている。気温が上がり、各地の茶園の茶農家は今、第一陣となる春茶を予定通り出荷するため、急ピッチで作業を進めている。
中国の4大茶葉産地で春茶生産 浙江省や江蘇省などで茶摘みの繁忙期突入
中国の人々が茶を飲む歴史は1000年前まで遡ることができる。茶には薬用効果があり、それを飲む習慣は唐の時代から盛んになり始めた。唐の時代に始まり、宋の時代に繁栄した中国の茶文化は、文学や芸術、宗教といったスタイルを通して、中国の伝統文化に深く溶け込み、茶は中国人にとって最も情緒あり、最も国民的な生活の習慣の一つとなっていった。
春茶は西南エリアと江南エリアに集中
中国西南エリアの茶の産地は高原地域にある。例えば、雲貴高原の茶の老樹は、数や種類の面で世界最多を誇り、「中国のチャノキ」の原産地として知られる。久安緑茶や普洱(プーアル)茶、蒙頂山茶を含む今年の第一陣となる春茶はすでに出荷されている。
春茶の品種が最も多いのは江南エリアで、メインは緑茶。洞庭山の碧螺春や西湖の竜井茶などが、3月中旬から摘採期に入っている。
しかも洞庭山の碧螺春や西湖の竜井茶の摘採時期には厳格な決まりがあり、清明節(先祖を祭る中国の伝統的な祭日、今年は4月5日)前に摘まれる「明前茶」が一番おいしいとされている。「明前茶」は、茶葉が軟らかく、香りが良く、1年で最高品質の茶葉となる。
中国の4大茶葉生産エリアにはこのほかに、南嶺以南の華南エリアと長江以北の江北エリアがある。華南エリアには主に広東省や広西壮(チワン)族自治区、海南省、台湾地区などが含まれており、産地は主に山地にある。春茶は3月初めごろから摘採が始まっている。江北エリアは主に、長江の中・下流以北の地域で、春茶には信陽毛尖や嶗山緑茶といった品種がある。摘採が始まるのは3月末から4月にかけてとなる。
おいしい春茶を選ぶには、目で見る、手で触る、茶葉の香りを嗅ぐといった様々な方法でその良し悪しを判断できる。見るのは主に、茶葉の形状、つや、むら。手の指で茶葉を軽くつまんでチェックするのは乾燥度で、十分に乾燥していないと品質が低下する。また、茶葉の香りを嗅ぐことで、カビが生えていないか、変質していないかをチェックできる。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年3月27日